この男の不在を寂しがっていた、ファンの方も少なくないだろう。今季は開幕戦のあと、右肘の故障で戦線離脱。５月に手術を受けて、リハビリに専念していたすし石垣が、今週23日開幕の「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント」で、久しぶりに元気な姿を見せる。
コースとの相性も抜群の北海道で、復帰第１戦を迎える。

昨年の今大会は、２日目にこの地で恩師の訃報を聞いた。
地元埼玉県立蕨高校の野球部時代の監督、佐藤明広さんが49歳という若さで亡くなった。

交通事故死だった。

高３の夏の地区予選。２回戦までコマをすすめた翌日の新聞に、監督の談話として「石垣の集中力はものすごい」と書いてあり、ひそかに喜びを噛みしめた日の思い出。
卒業後も親交は続き、野球からプロゴルファーに転向した教え子が、試合で崩れるたびに電話をかけてきて「いい加減に優勝しろ！」と、叱り飛ばしてくれた先生。

悲しみにくれるかわりに気持ちを奮い立たせた大会３日目。
「そうだゴルフも集中力」。
監督の遺した言葉を噛みしめながら、69で回って２位と３打差の単独首位に躍り出た。

その翌週に予定されていた先生の葬儀にツアー初優勝を持って行く。
そう決めて臨んだ最終日だったがインドのジーブ・ミルカ・シンの猛追に敗れ、２位に終わっている。

恩師の一周忌を復帰戦に選んだ今年こそ、昨年のリベンジで報いたい。

• すし 石垣
• 佐藤 明
• Ｊ・Ｍ・シン