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谷口拓也が4年ぶりのツアー通算2勝目

ずっと夢見ていたことだった。「いつか、谷原さんと最終日最終組で回って勝つ」。東北福祉大でひとつ上の谷原秀人は「ショットもパットもアプローチもバンカーも考え方も。若手の中ではいま一番だと思う。すべてがトップクラス。近づきたい」。
プロになった今でも「タニ先輩」は一番の目標だ。

この小樽でいよいよ実現した尊敬する人との直接対決。まして、13番のバーディで首位タイに並び、最後は先輩との一騎打ち。
「前半は、タニさんに引っ張ってもらったと思う」と谷口。
「離されないように、必死でついていったから」と、振り返る。

今週、タッグを組んだプロキャディの渡辺宏之さんのアシストも最高だった。
「いつもガツガツ行きすぎる僕に、打つとき以外はあまりテンションを上げないで、って。そのおかげで今週は硬くならず、最後まで落ち着いてやれたと思う」。

16番で、谷原が左のラフに打ち込んだ。前方に木、さらにグリーン手前に池が待ち受ける困難な状況から大胆にスライスをかけてフェアウェイに戻し、パーを拾った先輩を「やっぱりうめぇ〜!!」。
感嘆の思いで見つめながらも冷静に、相手のわずかなスキを逃さなかった。

続く17番で揃って右のバンカーへ。
先に打った谷原が、珍しくピンに寄せきれなかった。
「先輩でもあんなミスをする」。
そう思ったら、少し気が楽になったという。

タイのままもつれ込んだ最終18番で、残り167ヤードのラフから7番アイアンで打った谷口の第2打は、ピン奥2メートル。

谷原が、やはり奥から先に長いバーディチャンスを打った。
「入る!」。
一瞬ひやりとさせられた絶妙のタッチはしかし、わずかにカップを通り過ぎ、同じようなラインを残していた谷口の参考になった。

下りのバーディパットは「ほとんど切れない」と読み切って、ど真ん中からねじ込んだ。
コースマネージメントも完璧に、難コースの小樽を制したばかりか憧れの人を初めて下した喜びが、その瞬間に弾け飛ぶ。

天に向かって両手を振り上げ、2度、3度と大きくジャンプ!!

前回の優勝は2004年。オリンピックイヤーのツアー初優勝は、アテネ五輪開幕直前の8月1日だった。
「ほんとうに、ちょうど4年ぶりなんですよ!」と声も弾む。
1勝はたまたま、本当に難しいのは2勝目からと言われているとおり、少し時間はかかってしまったがその分、ゴルフも体力も精神面も、あのころより成長したと実感できる。

「初めてのときはほんとうに無我夢中で。何がなんだか分らなくて、思わずギャラリーに投げてしまったんだけど・・・」。
そう言いながら、表彰式後の記念撮影の合間に18番のグリーンサイドで息子の勇姿を見つめていた父・隆政さんを、大声で呼び止めた。
「これ、オヤジにあげる!」。
照れくさそうにそう言って、高々とほうり投げたウィニングボール。
前日3日目に、地元・徳島県からきゅうきょ駆けつけた父親の手に、無事収まったのを見届けてから、「次の3勝目は2012年にならないようにしなくちゃね!」と、笑った。

  • ホールアウト後、谷原に「おめでとう」と右手を握り返され感無量
  • 2つめの優勝カップは難コースと、尊敬する先輩を下して喜びもひとしおだ
  • 2個目のウィニングボールはゴルフの手ほどきをしてくれた父親に・・・
  • 「素晴らしいコースを提供してくださった小樽のみなさんに感謝します!」と、コース管理のみなさんに心からのお礼を

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