Tournament article

カシオワールドオープン 2008

立山光広、加瀬秀樹らがシード落ち…

この4日間、ついに笑顔がこぼれることはなく、コースを去った立山
今季のシード権は、上位70位までの選手のうち、賞金ランク36位につける丸山茂樹と同63位のブラント・ジョーブが、米ツアー参戦による義務試合数不足でランキングの対象外。

また同56位につける永久シード選手の中嶋常幸も、シニアツアーとの掛け持ちにより、義務試合数に満たないためやはり対象から省かれる。

よってランク73位(1177万3933円)がボーダーラインとなる。
シード権を狙う選手にとっての最終戦となる、このカシオワールドオープン直前の賞金ランクで74位につけていた立山光広は最終日、強風の中で通算7オーバーとスコアを崩し、59位タイで他の選手の結果を待った。

シード権を争う選手たちのスコア状況が特に注目される今大会は、会場のKochi黒潮カントリークラブのクラブハウスのあちこちに、速報モニターが設置されている。

そこには競技中の順位に応じて、仮想の賞金ランキングを分刻みで表示するシステムがプログラムされている。

刻一刻と変化するボーダーライン。
ランク88位から、大逆転の初シード入りを狙う佐藤えいちが11位タイに終り、可能性が消えた瞬間、立山が一時73位のボーダーラインに食い込んだ。

親しいスタッフに、「入りましたよ!」と声をかけられた立山はしかし、ニコリともせず、「津曲が残っている」と、厳しい表情でつぶやいた。

すでにホールアウトしていた津曲と同じ通算スコアの21位タイに、何人の選手が並ぶかで立山の状況は一変する。
津曲の初シード入りは、他の選手と分け合う賞金額によって決まる。
と、同時にそれは立山のシード落ちを意味する。

「だから、まだ全然分らないし…。俺はきっと落ちるよ」と言って、次週の予選会「ファイナルクォリファイングトーナメント」のエントリーを済ませた立山は、無言のままコースを後にした。

その直後に本人が残した言葉は現実のものとなった。
初シード入りを果たした津曲に弾き出されて74位でシード落ち。
くっきりと、明暗が分かれた。

立山のほか、賞金ランキングによるシード落ちを喫したのは13人。
来月49歳のベテラン、加瀬秀樹もそのひとりだ。
今季はパッティングの不振に苦しみ、それもようやく出口が見えかけたと思ったらもうシーズンも終盤だった。
今大会直前の賞金ランクは92位に、「俺のシードは宝くじに当たるようなもの」と口では言いながら、渾身のプレーを続けたが「やっぱり最後のあがきだったね」。

ランク87位は遠く及ばなかった。
昨年は生涯獲得賞金25位までの選手に与えられる特別シードを適用したが、それも1年1回限り。
今年はいよいよ自身、実に20年ぶりとなる予選会に出場しなければならなくなった。

来月3日から、茨城県のセントラルゴルフクラブで始まるファイナルクォリファイングトーナメントは予選4日、決勝2日。
計6日間の長丁場は「かなりキツイけど、楽しんでね…。なんとか、頑張るよ」。
いつもの柔和な笑顔で無念を押し隠した。

  • 加瀬は20年ぶりの予選会に、「せめて楽しく」と…

関連記事