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ANAオープン 2008

中嶋常幸が2位

ジャンボ尾崎が55歳と7ヶ月29日の史上最年長優勝をあげたのは、2002年の今大会。同じ舞台でそれに次ぐ、53歳と11ヶ月1日の記録をかけた「オールドマンドリーム」を目指していた中嶋だったが「正夢にはならなかったよ」と苦笑した。

悔やまれるのは3連続バーディを奪って迎えた16番パー3だ。
ティショットが左のバンカー。
エッジからさほど距離のないピンを狙ったが、ボールはグリーンからわずか10センチほど手前のラフで止まってボギーを打った。

夢は一気に遠のいたがしかし、その表情は充実感に溢れていた。

30年ぶりにグリップをインターロッキングに戻したのは大会前日の水曜日。
いきなりの決断に、右手の薬指にマメを作り、最終日にはどうやら腱を痛め、腕にテーピングをして臨んだ。
「普段使わない筋肉も使ったけど、収穫はあったよ!」と、その代償に確かな手応えをつかんだ。

最終18番で、奥から長いバーディパットを決めて拳を握り、テーピングの腕を力強く振り上げた中嶋は、18番グリーンをスタジアム風にぐるりと囲むギャラリースタンドに向かって今度は何度も何度もその手を振った。

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