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バナH杯KBCオーガスタ 2008

石川遼は最終ホールで・・・

通算3オーバーで迎えた最終18番。予選カットラインぎりぎりのスコアは、もう絶対にボギーに出来ない。絶体絶命のピンチで石川が、またまた奇跡を起こした。

ラフを渡り歩いた残り15ヤードの第3打は、8番アイアンでまたもや奥のラフ。
ピンまで15ヤードのアプローチは絶対に1パット圏内に寄せたい。
「パーセーブしたい」と、心から欲したサンドウェッジでの第4打は、果たしてカップに吸い込まれた。

ギャラリーの大歓声に紛れ、本人の「ぎゃ〜」とも「わ〜」とも判別がつかない雄叫びとともに、ガッツポーズばかりか右足まで高々と蹴り上げて、クルクルと身を翻す様子は、まるで優勝でもしたかのようなド派手なアクション。

あとで、自分のその姿を振り返った石川は、照れながら打ち明ける。
「予選通過くらいでその喜び方はないだろう、と思われた方もいるかもしれませんが、僕の中では予選通過するのとしないのとでは、大きな差がある。4日間を経験することは、今後の成長も大きく違ってくるんです」。

13番で連続ボギーを打って、通算2オーバーにしたあたりから意識しだした予選落ちの危機。それを最高の形で回避して、思わず狂喜乱舞した。

悪天候にも関わらず、18ホールを見守ってくださった大勢のギャラリーにも、何よりの見せ場をプレゼントすることができた。
「今日で、僕が予選落ちするだろうと思って見にきてくださった方もいるでしょうね」と苦笑した。
「明日も、たくさん見に来てくださることを祈ってます」とアピールした。

初日、2日目とも73。
「2日間、やられているので4日間通してアンダーパーにしたい。バーディをたくさん取って、コースに勝ちたい」。
芥屋を制するチャンスは、まだ2日残っている。



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