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マンシングウェアオープンKSBカップ 2007

アマチュアの石川遼(りょう)くんが初めてのツアー出場で予選を突破

前夜、キャディの塘田隼也(とうだしゅんや)さんと反省会議を開いた。前日2日目の第1ラウンドは、守るべきホールで攻めてしまったばっかりに「もったいないことをした場所もあったんじゃないか・・・」。
その言葉に納得し、反省する部分もたくさんあった。

それでも、石川くんはやっぱりこう考えた。
「僕のゴルフは、ピン狙い。パットは、ジャストタッチで入れる。それも勇気だと」。

東京・杉並学院高校の1年生は、強気のゴルフが身上だ。
この日3日目の第2ラウンドも、攻めに攻めた。
深いラフもスプーンを握った。アプローチは絶対にピン狙いだ。

普段の平均飛距離は280ヤード。
しかし、アドレナリンが出ているせいか、「いつもより10ヤードは飛んでいた」。
436ヤードの9番パー4は、ボランティアのフォアキャディさんがティショットの行方を見失ったほどだった。
心当たりの場所を探してもなく、さらに先の残り125ヤード地点で見つかった。

「300ヤード以上も飛んじゃって。ギャラリーの人もびっくりしてました(笑)」。
ピン左3メートルに寄せてこの日6個目のバーディを奪い、前半9ホールで31をマークした。

埼玉県の松伏第二中2年のとき、全国中学校ゴルフ選手権で自己ベストのハーフ30を出して優勝したが、「速いグリーン。トーナメントのセッティング。今回の31のほうが相当嬉しい!」と、あどけない笑顔がこぼれ出た。

先月2日に行われた今大会の最終予選会で10位タイ。
出場権が与えられる上位4人には2打足りず、惜しくも出場権を逃したが、アマチュア32人中トップだった。
この結果が評価され、主催者推薦を受けて、初めて出場したツアーでみごと予選通過に「今日は満足のいくプレーができて、3アンダーは僕にとって大きな前進です!」。

小5のとき、父・勝美さんの練習に駄々をこねてついていったのがクラブを握るきっかけだった。
それから3年後、関東ゴルフ連盟のジュニアスクールで基礎を身につけ、頭角をあらわした。
中学時代は、陸上部で活躍するかたわらゴルフの練習も欠かさなかった。
短距離走で養われた「瞬発力」を武器に、ジュニアの大会で次々と好成績を修めている。
目標は「世界一強いプロゴルファー」で、なおかつ「世界中の皆さんに好かれるプロを目指している」という石川くん。
1日36ホールの決勝ラウンドが、夢への糧となればいい。


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