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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2007

シード権争いの選手たちは・・・

手首を痛みをこらえてシード権確保に挑む井戸木
井戸木鴻樹は2オーバー27位タイスタートよりも、とにかく無事に初日を終えたことを喜んだ。今週火曜日に、10年来の持病という手根管症候群が再発。
手首に激痛が走るこの症状は、ひどくなればクラブを持つことさえ難しくなる。

この日は患部をテーピングで「ぐるぐる巻き」にしてスタート。常に手にはカイロを握り、こわごわながらどうにか18ホールを回りきり、安堵の笑みがこぼれ出た。

現在、賞金ランク75位は規定試合数に満たない選手を省いてちょうど、シード権が与えられる上位70番目のボーダー線上に位置するが、このままの順位で終わればファイナルQT行きは免れない。

いまはランク外のジーブ・ミルカ・シン(ランク93位)とWリャン(101位)が次週の最終戦ゴルフ日本シリーズJTカップへの出場を表明しており、ましてジーブは今週のディフェンディングチャンピオンだ。
この2試合で2人が揃って賞金ランクに食い込めば、たとえ今週は圏内で終わっても、井戸木にはシード落ちの可能性が出てくるからだ。

そのためにも、とにかくこの2日間は予選通過が最低条件。
「攻めたり、引いたり、泣いたり、笑ったり、苦しんだり、楽しんだりしながら、なんとか頑張りますわ」と、精一杯の笑みを浮かべた。

2003年のチャンピオン、今井克宗も現在賞金ランク136位。シード落ちの危機を迎えているが、良い意味で開き直って好スタートだ。
最終9番で2メートルのバーディパットを決めて2アンダーは、5位タイスタートに「今日はやってて、充実感があった。こんなゴルフは今年初」と、自身の最終戦でようやく手ごたえをつかみつつある。

今季は「言い訳ができないくらいに、体調は絶好調」。
しかし、ゴルフは何もかもがかみ合わなかった。
「調子は悪くない」。
しかしスコアに結びつかない。
一時期は、悩みに悩んだが「この1年間は何をやってもダメで」。
いよいよ土壇場を迎えて、覚悟を決めた。
今月28日(水)から始まる予選会ファイナルQTに備え、会場近くのホテルも押さえて次週の準備も万端に、「来週の経費を稼いでおこう」と心に決めたら、吹っ切れた。

もちろん、最後まで諦めるつもりはないが、いまさら変に気負っても仕方ない。
「今週は、とにかく自分らしくゴルフが出来たらいい」。
見失いかけていた“ラ・ボンバ”らしさを取り戻すことが、今大会のいちばんの課題だ。


  • どん底もなお明るく乗り越えようと踏ん張るラ・ボンバこと今井

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