近藤がトヨタ自動車とスポンサー契約を結んだのは今季開幕直前。丸山茂樹のような所属契約の形ではないものの「近藤選手の挑戦し続ける姿勢やプレースタイルに共感した」との評価を受けて、キャップやキャディバッグなどに同社のロゴマークをつけて戦うことになった。

近藤の地元でもある愛知県から急成長をとげた、大企業からのバックアップ。喜びと誇りで胸が一杯になった。

その反面、「プレッシャーも大きくなった」。

今年になって、もう何人の選手に言われただろう。
「いいよなぁ〜コンちゃんは。なんたって世界のトヨタだもんな！」。
そのたびに、責任の重さを痛感した。
そしてそのたびに「早く次の優勝を」との思いを強くしたものだ。

有言実行のツアー通算３勝目に、ますますその自覚が芽生えてくる。

今月17日に30歳の誕生日を控え、「僕ら世代が中心になって、男子ツアーを引っ張っていきたい」との思いがある。
「星野や矢野や・・・そのほかにも同世代で良い選手は一杯いる」。
彼らとともに、ツアーの中核となって力を合わせてジャパンゴルフツアーを盛り上げたい。

そんな思いがホールアウト後、近藤に１枚のカードを握らせた。
表彰式の直前に財布からそっとポケットに滑らせたのは、大会特別協賛のジェーシービーのクレジットカードだ。

優勝スピーチで主催者や開催コース、関係者やギャラリーやボランティアのみなさん…大会にかかわってくださった方々全員にひとしきり感謝の気持ちを述べたあと、おもむろに取り出してひとこと。

「僕も使ってます、ジェーシービーカード。これからも、どうかよろしくお願いします！」。
そうすることが、大会へのせめてもの恩返しとばかりに深々と頭を下げた。

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