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フジサンケイクラシック 2006

武藤俊憲「やっぱり、プロはスコアで・・・」

球が動いたのはこの直後。アドレスを取った瞬間だった。
小山内護に声をかけられたのは練習日の火曜日。2000年と、昨年、一昨年のドライビング王さえ一目置く飛ばし屋が、バトンを託された。

「飛距離はお前に譲るよ。そろそろ俺を引退させてくれ」。
その言葉をしっかりと引き継いで、今週、平均322.17ヤードを記録してドライビングディスタンス1位。

ツムラ提供の100万円獲得は、もちろん嬉しい。
プレゼンターの白石美帆さんとともに、念願の表彰式にも出席できた。
妻・妙子さんは、今週木曜日が出産予定日だった。
遅れていて、まだその気配はないが賞金をそっくり費用に当ててもまだお釣りがくるだろう。

しかし、そんな“特典”にも埋め合わせできない悔しさが残る。

最終日は難しいピン位置に翻弄されて、ほとんどパーオン出来なかった。
アプローチも寄せきれず、ひとつもバーディが取れなかった上に、18番で痛恨の1ペナルティ。

奥から1メートルのボギーパットを打つ瞬間だ。
風の影響か、それとも傾斜のせいなのか。
アドレスを取った瞬間、わずかにボールが動いたのだ。

最終ホールのダブルボギーにますます悔しさを募らせて、「やっぱりゴルフは飛距離ではない、と痛感させられた」と武藤。

片山の背後で優勝スピーチを聞きながら、「これからは“飛距離の武藤”ではなく“スコアの武藤”を目指す。そしてツアー2勝目を」と、心に誓っていた。





  • ツムラ提供の賞金100万円は「全部、嫁さんに取られそう・・・(笑)」
  • 「賞金は嬉しいけれど、これからは飛距離より、まずはスコア重視で頑張ります!」(武藤)

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