Tournament article

三井住友VISA太平洋マスターズ 2006

宮本勝昌「地元・御殿場市をよろしくお願いします!」

この日2日目は「一打一生」の精神を貫いた。以前、所属先ジャパンニューアルファの小巻公平社長から言われた言葉。

「プロゴルファーは、たった1打で一生が変わる。だから宮本君も、目の前の1打に真剣に向き合わなければならない」。

常に、胸の中にあったがなかなか実践できなかった。
「分かっていながら先を見たり、バーディ取ったらまた次、と思ったり・・・」。
つい、目先の目標ばかりに目が行きがちだった。

たとえば、この日66を出すことが目標だったとしよう。
いざコースに出ると「66」という数字と、結果ばかりを追いかけてしまう。

「・・・でも結局は、それも1ホール1ホールの積み重ねなんです。だから今日は、1打1打を丁寧にプレーしようと」。
そんな思いが込められたこの日のゴルフは、見上げる富士のようにデカかった。

前半の12番で10メートルのバーディパットをねじ込んだ。
14番で14メートル。
16番は、エッジからパターで12メートルを決めた。
18番パー5は、奥エッジから10メートルの第3打をチップイン。

64をマークして通算9アンダー。
一気に首位タイに躍り出て、「よ〜し、明日は神の子!!」と翌3日目の、スペインのセルヒオ・ガルシアとの最終組を喜んだ。

今週は、コースからわずか15分の自宅通勤。
一昨年末、地元・御殿場市に構えた新居は、特に風呂にこだわった。
広さにして約6畳。
さらに、大きく取った窓からは、富士の山がくっきりと見える。
今週は、9ヶ月になる長男・翔太郎くんと毎日ゆったり湯船に浸かり、ゴルフで疲れた体を癒すことができる。

昨年4月には、師匠の芹澤信雄に続き、市の観光親善大使に任命された。
以来、富士山の写真がプリントされた5種類の名刺を持ち歩き、機会あるごとに配って歩く。

「今日の紙面にも、ほんのちっさくで良いからぜひ“御殿場市出身の宮本”と。それだけで、市長さんが喜んでくださるんです」と、ここぞとばかりにピーアール。
最終日こそ世界ランカーに打ち勝てば、さらに宣伝効果は絶大だ。

関連記事