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ダンロップフェニックストーナメント 2005

中川勝弥、いきなりウッズとのラウンドに・・・

慌ててかけつけたスタートの10番で緊張しながら握手
前日から、背筋痛を訴えていた片山晋呉が、初日のスタート前に急きょ欠場を決めた。その代わりとして、出場権を得たのは、現地ウェイティング制度を利用して、出番を待っていた中川勝弥。

試合に出られる喜びと同時に、戸惑いも隠せなかった。

もともと、日本のマネーリーダーが回るはずだったのは、ウッズ、キャンベル組。
世界ランク1位と、今年の全米オープンチャンピオンという豪華顔ぶれにいきなり放り込まれた中川は、最初は緊張でガチガチだった。

「始めはもう、ボーっとしてる感じで・・・」。

世界トップの技にどんどんと引き込まれ、自分のプレーはそっちのけ。
現在、賞金ランク70位。シード権確保のボーダー線上にいる自分の立場も、ラウンド中は頭に浮かばなかったという。

「それより、こんな素晴らしい組で回れるのはきっともうこれが最後。とりあえず、勉強させてもらおうと」。

そう決めて、スイングのリズムやルーティンを観察しているうちに、自然と集中力が増している自分に気がついた。
ここ最近、ティショットが乱れて低迷していた。
この日も「2人に迷惑をかけるのではないか」と危惧するくらいに曲がったが、「それでも、これまでみたいにズルズル行かず、集中力を切らさずやれた」と、悪いなりに納得のラウンドができたのだ。

「なんとなく、吹っ切れた気がする」と中川。
「今週、ウッズの前で精一杯のゴルフができたら、残り1試合でシード権も決められるような気がしてきました」。

予選2日目も組み合わせは変わらないため、もう一日、夢のような思いが味わえる。
「明日は、もっともっと良いゴルフがしたい、そのために練習してきます」。
そういって、専属キャディで妻のめぐみさんとともに、ドライビングレンジに直行した。

  • 「飛距離は参考にならないけれど、リズムとかルーティンとか。この目に焼き付けました」(中川=右)

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