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ウッドワンオープン広島ゴルフトーナメント 2005

増田伸洋「守っていられる性格じゃない」

この日、八本松の気温は30.5°。しかし、暑いのは大歓迎だ。元ラガーマン。倒れても、倒れてもまた立ち上がり、相手に向っていく。高校卒業を機にゴルフに転向しても、その姿勢は同じだった。
気温が上がれば上がるほど、体が動く。みながグッタリしているときほど、燃えてくる。

しかし、この日2日目の前半9ホールはそんな気合がかえって足を引っ張った。
疲れからか、練習日から体調がすぐれなかった。そのため不本意ながら、練習場でもならす程度に7、8割の力で軽めの球を打っていたのだが、そのスイングをコーチの内藤雄士さんが絶賛した。
「目一杯よりも、そういう感じのほうが、いい球が出ているよ」。
そう言われて初日はあえて力を抜いて打っていたのが吉と出た。4アンダー2位タイの好発進。

しかし1日たって、少し体が回復すると、がぜんやる気が沸いてくる。
「元気になったし、今日は行ってやろう」。
その気持ちが空回りし、スタートの1番、4番、7番でボギー。
「昨日までとスイングのリズムが違う」。
気がついて後半から、前日までのイメージを思い返した。それが、バック9の盛り返しにつながった。

折り返しの10番から、3連続バーディ。上がり2ホールでも、連続バーディを奪って通算6アンダー単独4位。

初シード入りして3年目の今シーズンは、「そろそろ・・・」という気持ちが強かった。
開幕から、自分と同世代の若手が次々と初優勝をあげて、ますます「自分も」という焦りが募った。
そのせいでシーズン序盤にかえって乗り遅れたパターンは、この日のフロント9と同じだ。

それでも、久しぶりに好位置で臨む決勝ラウンドには、「守っていられる性格じゃないし、このチャンスをものに出来たら一皮むける」と、闘志を燃やす。
「残り2日も、やっぱり攻めていきたい」その意気込みをどう折り合いをつけていくかが週末の課題だ。

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