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〜全英への道〜 ミズノオープンゴルフトーナメント 2005

高山忠洋が初のメジャー切符を獲得「思い出したのは、すべてが終わってからでした・・・」

何よりも、この大会で勝つことが目標だった。一時は2打差をつけながら、バック9で3ボギー。雨が降り出した16番ホール。ティショットを打った瞬間、風向きが変わった。いつもは、強いフォロー風のホールが、ふいに翻って向かい風。
バンカー目玉に打ち込んで、寄せきれずにボギーを打った。最終18番でキャンベルもボギーとし、どうにかプレーオフにはもつれ込んだが、その2ホール目。

2オンに成功したものの、その先のピンは大きなコブの向こう側だ。
約1メートルのバーディパットを残し、「まっすぐ」と読んだラインはフックして、カップをそれた。

勝負に破れた悔しさのあまり、すっかり忘れていた。この大会の上位4人には、全英オープンの出場権が与えられる。2位につけた高山にももちろんその権利があるが、「そのことを思い出したのは、試合がすべて終わってからでした・・・」。

練習日の21日火曜日に訪問した児童養護施設『悲眼院』の子供たちが、この日最終日に応援に来てくれた。優勝をプレゼントできなかったせめてものお詫びにと、全英オープンの選手証のバッチを受け取るセレモニーに出たあと、子供たちと一緒に記念撮影をしたが、気持ちは晴れない。

この悔しさは7月、自身初のメジャー戦で払拭するしかない。
今年会場のセントアンドリュースは、ゴルフを始めたころから憧れのコースだった。プロになると決めた高校生のころはまだそれほどゴルフの知識がなく、メジャーは毎年、セントアンドリュースで開催されている、と思いこんでいたくらいだ。
「ゴルフの聖地といわれる場所で、前向きに戦って来たい」。
出発まで半月。アイアンショットの精度をあげて、クラブもリンクスに対応できるものに、さっそく調整するつもりだ。

  • ともにメジャー初出場を決めた藤田(左)に、「はぁ・・・負けちゃいました〜」と、高山(右)

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