Tournament article

アサヒ緑健よみうり・麻生飯塚メモリアルオープン 2004

片山晋呉「この位置で回れることで、ひとつ責任は果たしたかな、と」

先週の大会初日に途中棄権。風邪と、ラウンド中に足をひねったのがその原因だった。この日は実に2週間ぶりに、注射を打たないで済みそうなほど回復したとはいうものの、医者には「まだ、ゴルフはしないで」と、言われている。

それでも、大切な人との約束を果たすために片山は、ここ麻生飯塚にやってきた。

今大会特別協賛のアサヒ緑健代表取締役社長・古賀良太さんとは、プライベートでラウンドするなど、4年来の付き合い。

開催が決まったとき、その古賀さんからじきじきに出場の打診があったのだ。

「…本当は、今週も休みたかったけど…この大会は、今年が第1回目。それこそ、町をあげて開催してくださっているトーナメントを、僕もなんとか良いゴルフで盛り上げたいという思いもあったんです。とりあえず、この位置で回れることでひとつ責任は果たせたかな、と…」。
18番で2メートルのパーパットを決めて、通算11アンダー3位タイ。
5打差つけられたとはいうものの、翌日の最終日は、地元代表の伊沢利光と2002年のフィリップモリス(現ABCチャンピオンシップ)以来の最終組で争う。
「なかなか、ない組み合わせ。きっと誰もが見たいはず」。
体調が万全でない中、本人も自信満々の注目のペアリングを実現させたことで、ひとまず恩返しできた、と胸を撫で下ろした。

いま、女子に人気がおされ気味の男子ツアーについても、「分かる人が見れば、絶対に男子のほうが面白い。きっと明日も、みんなに『来て良かった』と思ってもらえずはず」と、強気だ。

もし勝てば獲得賞金も1億円を超えるが、それに関しては、「このコースで5打差はさすがにきつい」と、一笑に付した。
「飛ぶ人に有利なコース。それに相手は伊沢さんでしょう? 8つとか出さないと(優勝は)無理。僕は伊沢さんのプレーをゆっくり見てます」と、無欲を強調しながらも、ホールアウト後は練習場に直行。18番で、第2打がグリーン奥。
「アイアンを変えて、これで2試合目。まだ身体に馴染んでいないのと、ちょっと、力が入っていたのと…」。
そんな懸念材料も約20球の調整でしっかり払拭して、いざ決戦の舞台に立つ。

関連記事