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ABC チャンピオンシップゴルフトーナメント 2004

川岸良兼「ジャンボさんの分まで頑張る、と…」

かつて“怪童”と呼ばれた川岸の本能がめざめた。2番、3番で6メートルのバーディチャンスを沈めると、続く4番で18メートルをねじこんだ。3連続バーディに、思わず「バンザイッ!!」。

波に乗り、ボギーなしで迎えた最終18番パー5では、残り170ヤードの第2打を右ラフから9アイアンで14メートルに2オン。これを決めてイーグルフィニッシュには、先週までパッティングに悩み、「パターを毎日のように、とっかえひっかえしてた」とのセリフも疑いたくなる。
「今週は、フォロースルーで(ヘッドを)低く、長く出そうと心がけたのが良かった」。
相性バツグンのABCゴルフ倶楽部で、上昇のきっかけをつかんで2位タイ浮上。

90、99年大会のチャンピオンだ。特にデビュー元年の90年は、思い出深い。静岡オープンで中嶋常幸を、関東オープンで青木功を破り、今大会ではジャンボ尾崎を逆転で下して、年間3勝をさらった。
「AON」を次々となぎ倒し、次世代のエースともてはやされた。

あれから10年以上がたち、2001年は屈辱のシード落ち。ツアーの出場権をかけたファイナルQTでも失敗し、ドン底に落ちた。ようやく復帰を果たした今シーズンも、賞金ランク78位と低迷しているが、「別に、心配はしてない」と、悟りきったように、どっしりと構えている。

「…これだけいろいろ痛い目に遭ってきたからね。もう、いまさらビクビクしてもしょうがないから」。

師匠と慕うジャンボは、2日目のスタート前に坐骨神経痛で棄権した。コースを去る際、「僕がジャンボさんの分も頑張ります」と伝えておいた。
99年の今大会以来の復活優勝で、約束を果たしたい。

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