Tournament article

日本オープンゴルフ選手権競技 2004

伊沢利光 通算3アンダー暫定3位でホールアウト「今日はおなかペコペコでした」

ラウンド中は、食べ物をいっさい口にしない主義だ。パワー切れを懸念して、バッグの中にバナナやお菓子をしのばせる選手も多いが、伊沢はいまだかつて、それをしたことがない。
「何か食べると、きまってトイレに行きたくなるからね」。途中で慌てて用を足すと、プレーのリズムが崩れる。集中力は途切れ、次のティショットにも少なからず影響が出る。「それが嫌いだから」と伊沢はいう。

だから、前日初日の残り競技と、続く第2ラウンドあわせて29ホールをこなしたこの日2日目は、14時21分のホールアウトまで、結局、何も食べずじまいでプレーした。

朝、5時半にコースに到着したころは、「早すぎて、何も食べる気が起きなかったし」。
朝食をとらずに6時半にスタート。
そして、第1ラウンドの残り11ホールを終えるなり、ほとんどインターバルもなしで、続く第2ラウンドが始まった。
当然、かなりの空腹を感じていたが、「このまま、行こう」。
キャディの前村直昭さんもそれにならって、食べないままティオフしたのだった。

それでも高い集中力を持続できるのは、日ごろの努力のたまものだ。
この8月から、毎日平均6キロの道のりを走っている。
9月上旬、世界ランク1位に躍り出たビジェイ・シン。
41歳にして、シーズン獲得賞金の新記録を塗り替えるなど躍進の秘訣は、日ごろから半端ではないトレーニング量をこなしているから、と聞く。

「俺も、やらないと」。
普段から「走ることが大嫌い」と言ってはばからない日本の賞金王も、いよいよ重い腰をあげた。
サスペンデッドが決まった前日初日も、雨降りしきる中ひとり、コース周辺を疾走する姿があった。

「おかげで、インパクトからフォローにかけて、最後までしっかりと立っていられれる。ミスショットにも、ヨロヨロすることがなくなった」。
すきっ腹で迎えた最終9番パー5は圧巻だった。残り229ヤードの第2打を、4メートルに2オン。これを沈めてイーグルフィニッシュに、「完璧でしたね」とエビス顔。
初優勝をあげた95年以来となる大会2勝目に、大きく躍進した。

ホールアウト後は「おなかペコペコ・・・早く食べさせて」と冗談を言いつつも、ファンのサインに応じたり、記者会見にのぞんだり…。
結局、食事にありつけたのは15時すぎ。片山津ゴルフ倶楽部のレストランで海鮮ちらし寿司に舌鼓を打った伊沢。
「今日はほんとうに、長い1日でした」との言葉に実感がこもっていた。

  • ホールアウト後、空腹もこらえてファンの要望に応じる伊沢「おなかすいたな・・・と、思いながらサインしてました(笑)」

関連記事