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サントリーオープンゴルフトーナメント 2004

伊藤涼太君、1番のダブルボギーは「緊張しちゃいました」

「サインください!」と言って寄って来る子たちは、伊藤君とそう歳も変わらないジュニアたちばかりだった。史上最年少で予選通過を果たした14歳は、一夜にしてここ総武のスターにのし上がった。

初の決勝ラウンドを迎えたこの日3日目は、朝から伊藤君の行くところ行くところ、ギャラリーが大移動。
特に1番ティは、5重、6重の人垣が出来上がり、さすがの伊藤君もコチコチ・・・。
「緊張しちゃいました・・・」。
この日いちばんの注目を浴びながら打った第1打は右林。脱出の第2打も80ヤードの先の木に当てるミスで初の決勝ラウンド1ホールは痛恨のダブルボギー。
2番もボギーとして暗雲垂れ込めたが、このままで終わらないのが「ゴルフをするために生まれてきたような子」と、評価を受けるゆえんだ。
「悔しかったけど、すぐに気持ちを切り替えて」6番、13番ではバンカーから鮮やかなチップインバーディ。
「涼太君、頑張れっ」。
ロープの外からかかる気合のこもった声援も「自信に替えて」プレーするうち、「だんだん、楽しくなってきた」。
通算2オーバー43位タイでホールアウトするころには、最初の緊張もすっかり消えて、同組の宮本勝昌のプレーを冷静に観察する余裕も出てきた。
「宮本さんは、ボギーをしてもくさらず笑いながら自分のプレーをしてた。すごかった」。
脅威の14歳は、見るもの・聞くことすべてを貪欲に吸収しながら、総武の森を歩いている。
  • サインを求める大勢の人の輪の中に、伊藤君とそれほど歳の変わらない子供たちの姿が・・・

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