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サン・クロレラ クラシック 2003

「ゴルフは俺の人生そのものだから」サン・クロレラクラシックの大会ホストプレーヤー・青木功が、昨年の今大会以来、1年ぶりに日本ツアーに登場

いまから、30年も前のことになる。1973年、北海道の千歳空港CCで行われた第1回札 幌とうき ゅうオープン3日目、青木は応援にかけつけてくれた両親に、こう宣言した。
「明日、俺が勝ったら賞金のうち100万円を北海道に、寄付しようと思うんだ」。
両親は、目を丸くしながらも「お前のしたいようにしたらいいよ」と賛成してくれ た。翌日に はがっちりと勝利をつかみ、両親への言葉どおり、北海道共同募金に賞金を寄付。こ のことを きっかけに“北海道”と青木は、切っても切れない間柄となった。
その後も、道内ジュニア対象のレッスン会や、福祉施設への寄付を継続的に実施する など、ゴ ルフ振興や普及に積極的に力を尽くしてきた。その貢献度の大きさが評価され、この 日水曜日 のプロアマ戦の表彰式で、高橋はるみ北海道知事より青木に感謝状が贈られた。
壇上で賞状を受け取って、「そのときそのときで、特に何の意図もなく思いつきで やってきた ことが、いまこうして再び評価されるなんてね・・・」と、ちょっぴり照れくさそうに 話した青 木。
「俺はただ、こうしてゴルフが続けられるのはファンのみなさんのおかげだと、感謝 の気持ち をあらわしたかっただけなんだよ・・・」とのスピーチには、ひときわ大きな拍手が起 きた。
日本ツアーへの登場は、昨年の今大会以来、実に1年ぶりとなる。大会初日は、ディ フェンデ ィングチャンピオンのクリスチャン・ペーニャと、26歳の星野英正とのラウンドだ。
「若いやつらと回ると、“この野郎”っていってまた、つい自分の年も忘れてムキに なっちまうんだろうなあ・・・。コースに来れば、いつまでたっても俺は“現役”のつ もりだからね」と苦笑い。
今月末で61歳。しかし、年齢など感じさせない肉体とそのパワーで、2001年に公式戦 出場1000 試合を迎えたあとも、精力的に世界中を飛び回る日々を続けている。「だってゴルフ は、俺の 人生そのものだからさ。俺はゴルフしないと、死んでしまうよ(笑)結果はともか く、やるか らには今週も一生懸命。まあ、見ててよ」。
“世界のアオキ”が、再び舞い降りた思い出の地で善戦を誓った。
写真=山口博司北海道副知事(=右)より、高橋はるみ同知事からの感謝状を受け取 る青木。額縁に飾られた感謝状の揮毫(きごう)は、北海道書道界の重鎮、中野北溟 (なかのほくめい)氏のお手によるものです。

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