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ブリヂストンオープンゴルフトーナメント 2003

ほとんど勝利を確信した直道を仰天させた2発のミラクルパット、豪州のポール・ シーハンの好ゲームに大観衆が沸いた

漢字は、読めなかった。だから18番グリーン横のスコアボードを見ても、誰がトップ に立っているのかまでは分からなかったが、首位のスコアだけは確認できた。通算21 アンダーで、自分とは2打差。

「とにかく、ここでイーグルを取らなくちゃ自分には、チャンスはないってことだけ は、分かったんだ」とシーハン。

「なんとしても勝ちたい・・・」。

強い決意とともに打ったピン左7メートルのイーグルパットは、果たして、ど真ん中 からカップに沈んだ。
「うそぉ、あんなの、ほんとうに入っちゃうの?・・・って我が目を疑ったよ」と は、首位に並ばれた尾崎直道。ほとんど勝ちを確信していた相手の度肝を抜く に、十分なカウンターパンチ。
しかもそれは、この一発だけにとどまらなかった。
プレーオフ1ホール目の18番ホール。

第3打をOK距離につけた直道に対し、シーハンは、手前8メートルのバーディパッ トを残した。
完全に勝った、と思い込んだ直道は「ウィニングボールは、どこに向かって投げよう か」とまで頭をめぐらせていたほどだったのだ。
「・・・それなのに、またあ〜んな長いの入れられて・・・」1度ならず2度までも、 起死回 生のパッティングを沈めて、仰天させたのだ。
「あれには思わず目をパチクリ(苦笑)。あのパッティングには、実際、力が抜けた よ」(直道)。手に汗握るデッドヒートに、8000人の大観衆は沸きに沸いた。

しかし、奇跡はここまでだった。勝負どころのロングパットを2ホール続けてねじこ んだシーハンが、最後は2メートルのバーディパットを外した。直道が、先にバー ディのウィニングパットを決めていた。プレーオフ2ホール目に、ゲームオーバー。 OK距離のパーパットを拾い上げたシーハンは、悔しさをこらえて、勝者をたたえた。

「僕もベストを尽くしたけれど、今日はジョーさんのパフォーマンスが素晴らしかっ た。このゲームは明らかに、ジョーさんのものだった。心から祝福したい。
僕の本戦のイーグルパットは、まさか入るとは思ってなかった。それが決まって、い ちばん驚いているのは、ほかならぬ自分自身。プレーオフ1ホール目も、これを入れ なくちゃチャンスがない、と思って打ったのが入ってくれた。僕もジョーさんも、お 互いに『勝ちたい』という気持ちが強かったからこそ、今日のような好ゲームができ たのだと思う。今週は、僕は本戦直前に、出場権を得たんです、その試合でこうして上位争いをし て、最後まで素晴らしいプレーができたことには、ほんとうに満足。勝てなかったこ とは残念だけど、そう遠くないうちに、僕にも初優勝がめぐってくるって信じてる」

プレー オフ1ホール目は長いバーディを決めてまたガッツポーズ。2度、力強くこぶしを握っ たシーハンだったが・・・
  • 本戦の18番で長いイーグルパットを決めてガッツポーズ

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