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尾崎直道が日本プロゴルフ殿堂入りに「卒業証書と感じます」

日本のプロゴルフ界において偉業を達成した選手を称え顕彰する「日本プロゴルフ殿堂」は3月11日に、コロナ禍で延期していた第8回と、第9回の顕彰式典を開催。

 

同日にパシフィコ横浜で開幕した「ジャパンゴルフフェア2022」の会場で、顕彰者に顕彰状と記念品が贈られた。

 

第9回の「プレーヤー部門」で顕彰を受けた尾崎直道は、ツアー通算32勝。

史上7人しかいない永久シード選手のひとりである。

1991年には年間4勝を飾り、初の賞金王に。

1993年から8年間は米ツアーを掛け持ちながら1999年には国内3勝。2度目の賞金王を獲った。

 

50歳を機に、2006年からは米シニアのチャンピオンズツアーにも参戦。再び世界を股にしながら、レギュラーツアーでも輝きを放ち続けた。


レギュラーツアーでもっとも新しい優勝は2005年、32勝目の中日クラウンズでした

 

ある日、尾崎と回った若手選手が「直道さんはいくつになってもカッコ良すぎて、見ているこちらが時々照れくさくなることがある」と言っていた。

 

全身を目いっぱい使ったキレのあるスイングと、颯爽としたパフォーマンスでいつもファンを惹きつけた。

顕彰受賞のこの日のマイクパフォーマンスもそんな尾崎の魅力がぎゅっと詰まった。

 

壇上の挨拶で、いきなり長渕剛さんの「乾杯」を熱唱。

堂々と会場を驚かせておきながら、「ちょっと緊張しちゃった」と、65歳は照れた。

「式典で何を話していいか考えていましたが、きれいな言葉で話すのは苦手。普段、散歩しながら歌っていたので、これにしようと」などと,思いついた経緯と選曲理由を明かし、「獲ろうと思って獲れた賞ではないから優勝とはまた違った感じ」と、顕彰の感想を述べた。

 

受け取った彰状をつくづくと眺めて「無我夢中でやってきて、その足跡が評価されて頂いたもの。トーナメントプロとしての卒業証書と感じます」と表し、「家族や息子たちが喜んでくれる」と、しみじみとした。

 

言わずと知れた尾崎兄弟の末弟は「ジャンボがいたからここまでやれた」と、長兄・将司にも感謝の言葉を贈り、「あがり症だったり、優勝争いすると、メンタルも弱いし欠点ばっかり。プロゴルファーには不向きです。ただ、自分の欠点を前向きにとらえてどう克服するかとやってこられた」。


ジャンボと、ジェットこと次兄の健夫につづいて、しぶといそのプレースタイルからついたあだ名が”まむしのジョー”。
自身の来し方を噛みしめつつ、「今の若い子も、負けないで前向きに頑張ってほしい」と、エールを受賞の言葉に変えた。。

 

■第8回 日本プロゴルフ殿堂入り 顕彰者

<レジェンド部門>

中村 兼吉(なかむら・かねきち)

謝 敏 男 (しゃ・びんなん)

 

<プレーヤー部門>

岡田 美智子(おかだ・みちこ)

海老原 清治(えびはら・せいじ)

 

<特別賞>

渋野 日向子(しぶの・ひなこ)

 

■第9回 日本プロゴルフ殿堂入り 顕彰者

<レジェンド部門>

山本 増二郎(やまもと・ますじろう)

古賀 春之輔 (こが・はるのすけ)

安田 春雄 (やすだ・はるお)

 

<プレーヤー部門>

尾崎 直道 (おざき・なおみち)

塩谷 育代 (しおたに・いくよ)

 

<特別賞>

松山 英樹 (まつやま・ひでき)

稲見 萌寧 (いなみ・もね)

笹生 優花 (さそう・ゆうか)


※敬称略


卒業証書をいただいた気持ちです(左端が尾崎)

 

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