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JCBクラシック仙台 2003

<上位選手のトピックス>『2位狙いのゴルフなんてやりがいがない』12番のイーグルで、一瞬、トップと並んだ宮里優作、最後まで攻めきって単独2位

「いやー、複雑な心境です。友利さんがとてもよいゴルフを、粘り強いプレーをしていましたからね。チャージをかけなくちゃいけなかったんですけど、前半6ホールでバーディが取れなかったのが痛かった。3打差でターンできたので、もしかしたら・・・というのがあって。11番バーディ、12番ではイーグルで一瞬、追いついて現実味が出てきたと思ったのですが、その途端に友利さんに入れ返されて・・・。萎縮とかはしていなかったし、ただ流れに乗って攻めていこうと思ってプレーしていたんですけど、後半はそれが裏目にでてしまいました。

16番の友利さんのバーディは、あれは効きましたね。あれで苦しくなってしまった。でも、最後まで攻めてプレーしていきました。下とは4打差開いていたので、追いつかれることも、気にしませんでした。2位狙いのゴルフなんて、面白くもないですから。やりがいもない。最終組でプレーするからには、上だけを見てやりたいと思ったんです。

前半は、友利さんのプレーはなるべく見ないようにしていたんですけど、後半、切り換えました。相手は目の前の選手だけ。最後のほうは、もう友利さんとのマッチプレーだと思ってやっていた。もう、順位も関係ないと思った。各ホールの勝ち負けだけを考えていました。

やはり友利さんはフェアウェーから打てるから強い。アイアンもブレないし、パッティングもうまい。スコアが崩れる要素がなかった。勝負のあやも上手かった。前半、僕たちが伸び悩んでいたときは、安全に真中狙い。後半、僕たちがスコアを伸ばし始めたら、今度は狙って、自分もスコアを出してくる・・・。『この人はほんとうに凄い、スタートの5打差をほんとうにうまく使っている』と感じずにはいられなかった。

ゲームが終わったとき、友利さんには「お前は先輩思いだな。ありがとう」と言われました。…正直、くやしい。僕にも、目の前にチャンスがあったのに。

勝つためには、やはり集中力。友利さんはボールに対して真っ直ぐに、雑念なく向かっていました。それは見ていてわかりました。あと、4日間のうちどれだけボギーを打たないかも大事なこと。それと攻めるところは、きちんと攻めるということ。そういうテーマを持って、かつ楽しんで、しっかりやらないと・・・。今までは、のほほんとやり過ぎていたと思う。

常にベスト5に入るということの大変さ・・・。デビューしてから、そのことを思い知らされました。それでも、自分を信じて頑張ってきた。負けはしたけれど、今回の結果は、励みになります」

※今年、まだクォリファイングトーナメントによる出場権を持たない宮里には1年間、主催者推薦枠としては6試合のみの出場が認められていたが、今回、単独2位に入ったことで、賞金1000万円を獲得。今季通算12,198,000円稼ぎ、この時点で、昨年の賞金シードのボーダー線だったランク75位の広田悟の獲得賞金額(11,165,800円)を超えたため、ジャパンゴルフツアートーナメント規定により、主催者推薦枠による出場6試合の上限は解除された。

よって今後はどの試合でも、主催者推薦による出場が可能となった。主催者推薦での出場試合数の上限解除を受けるプレーヤーは、宮里が初。

なお、次回ツアーのマンダムルシードよみうりオープンは、今大会開催前に、すでに主催者推薦による出場が決まっていたが、今大会で2位に入ったことで宮里は、『直近のトーナメントで5位内』の出場資格で、出場することになった。

賞金ランクも、先週までの85位から21位へと一気にジャンプアップ。ルーキーイヤーでの初シード入りの可能性も見えてきた。

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