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JCBクラシック仙台 2002

「きっかけを掴めば乗ってくる」

デビュー4年目の高山忠洋、中嶋に成長の跡を見せるチャンス
 高校時代は、「なんだかちょっと、陰気臭いかなあ…」と思っていたゴルフ。
 それが、今週、初の最終組を体験できるまでになったのは、95年のフィリップモリス。田中秀道の初優勝を、テレビで見たのが、きかっけだった。
 涙、涙の感動シーンに「ピン、と来てしまった」
 大学に進んでまで続けようと思っていた野球をあっさり捨てて、その翌日には、研修生の試験を受けるため、岐阜県・法仙坊GCの門を叩く勢い。
 以後は、「遊び歩いていた」それまでの生活を、返上。猛烈な練習量で、半年で70台をマークし、その3年後の99年ファイナルQTで、ツアー出場権をつかんでいる。

 「お調子モノなんですよ。きっかけを掴めば、乗ってくる」との言葉どおり、この日2日目は、後半の2番パー4で勢いづいた。
 ティショットを右に曲げ、スタイミーで、フェアウェーに出すだけの第3打。残り74ヤードをピッチングウェッジで直接入れてチップインバーディだ。
 これにすっかり気を良くした高山は、4番、7番、9番でも、ほぼOK距離につけて、通算8アンダー、3位タイに浮上した。

 3日目、最終組でまわることになった中嶋とは、プロになる前に、一度、話をしている。
 研修生時代に、中嶋が主催するミニツアー「トミーカップ」で、優勝した経験がある。
 その表彰式のスピーチで、緊張してどもってしまった高山に、中嶋がチクリと刺した。
 「スピーチが下手なやつは、大成できないぞ」
 あのときの忠告は、今も、はっきりと覚えている。
 「成長のあとを見せる、チャンスですよね」と声が弾む高山。
 中嶋を抑えてのツアー初Vで、スピーチを披露、といきたいところだ。

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