Tournament article

国際オープンゴルフトーナメント 中日クラウンズ 2000

「田中先輩からは、『オレはぜったい負けない』という気迫が伝わってくる。一緒にいるとほんとうに勉強になります」河井博大

18番グリーン再度のアテストテントの中で、先輩を待つ河井
初出場の河井博大(ひろお)は通算2アンダーで迎えた18番で、セカンドをバンカーに打ちこんで単独3位に入るチャンスを逃し、「もったいないことをしました」と悔やんだ。
とはいえ、以前からあこがれだったこの大会。噂の難コースで、自身のベストフィニッシュの成績をマークし、「結果は上出来。欲を言い出したらキリがない。これまではいつも、こういう場面で守りに入ってつぶれていた。今回は最後まで『ガンガン攻めてちょうど』という気持ちでやれたのがよかったのだと思う」と、充実の表情で語った。

自分のプレーを終えると、すぐに田中を迎えるため18番グリーンにむかった。ウィニングパットを決めた田中にまっさきに近づき、「先輩、おめでとうございます」と固い握手をかわした。

田中と河井は、広島県立瀬戸内高校時代の1年先輩・後輩という間柄。卒業後、田中は名古屋にほどちかい、端陵GC(岐阜県)の研修生に。河井は名門・日本大学に進み、しばらく親交はとだえていた。
そんな2人が再開を果したのは、97年の東建コーポレーションカップ。
「僕がプロになって初めて出たツアー競技で田中さんは、もうすっかり、バリバリのシード選手。こちらから気安く声をかけちゃいけないという雰囲気がありました。なのに田中さんのほうから親しく声をかけてくださって、話してみたら面倒見のよかった高校時代のままの田中さんでした。それ以来、一緒に練習したり行動を共にしていただくようになったんです」(河井)。
河井は、ファイナルクォリファイングトーナメントランク4位の資格で今季前半の出場権を手に入れたのを機に、思いきって兵庫県の住まいをひきはらい、田中のいる名古屋に引っ越した。田中の「このままでは、普通のプロで終わってしまう。こっちにきて一緒に頑張ろう」との強い勧めがあったからだ。
今週は毎日、ホールアウト後に田中にプレー内容を報告し、叱咤激励を受けた。「たくさん叱られました(笑)。田中先輩からはいつも、『オレはぜったい負けない』という気迫が伝わってくる。技術的だけではなく精神的にも、ほんとうに勉強になります」と河井。普段は田中のほうも、河井がいいスコアでまわってくると発奮するそうで、お互いにいい刺激をうけあっていることが、今回の好結果につながったようだ。

関連記事