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マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント 2013

河井博大(かわいひろお)は師匠の視線を励みに【インタビュー動画】

あくまでも、他の選手に比べればということになるが、「ここ何試合かはティショットがひん曲がっている」。181㌢の長身だが、「僕は飛ぶほうじゃない」。それだけにショットを曲げないことが、何よりの武器になるはずが、「ここでちょっとでもラフに入れると、僕にはきつい」とその分、パッティングに頼ることになるのだが、この日は長いのが面白いように決まった。

8番も9番も、バーディトライは「12歩もあった」。一歩が1ヤードの計算だから、どちらも11㍍ほど。

「最後のひと転がりで、コロンと入った」。
いつも、谷口徹ら先輩プロに「"河井タッチ”と冷やかされる」。計ったように、カップの寸前で止まるパットをそう表現したようなのだが、「でも今週は高速グリーンなので。その分、普段よりも2,30㌢ほど前に行ってくれるのが、ちょうどいいみたい」と、最後の18番も「5歩」のイーグルチャンスが「右に切れたのかな」と一瞬、ひやりとしたタッチが、「耐えてそのまま入ったくれた」とこれまた最後のひところがりで、コロンとカップに沈んだ。

通算9アンダーは、1打差の2位タイで迎える決勝ラウンドは、「こんなに上にいるのは久しぶりなんで。ドキドキします」とベテランの緊張感は、何もV争いのためだけではない。

テレビカメラの向こうが気になる。
今週は、河井が「神の域」と評しておののくほど、尊敬してやまない師匠が解説をつとめる。
ときおり中継ブースを出て、コースを歩く田中秀道の姿は、河井も何度か目撃しており、「最後のイーグルパットもきっと見ているんだろうなあ」と、そう思うと、背筋が伸びる思いだ。
「このティショットでは、先がおもいやられるけれども、なんとかかんとか頑張ります」。師匠の視線を背中に感じつつ、2011年の日本プロに続くツアー通算2勝目を狙っていく。


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