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国際オープンゴルフトーナメント 中日クラウンズ 2000

最後まで決着がつかなかった今野と尾崎直道の18番ホールを再現

 昨年のこの大会。最終日、勝負は今野康晴と尾崎直道が首位で並んで迎えた最終18 番グリーンまで決着がつかなかった。

 今野の第2打はピンまで2メートルのバーディチャンス。尾崎は右7メートルに乗せ、1.5メートルの微妙な距離のパーパットを残していた。
先にバーディパットを打ったのは今野。初優勝を目前にして「手がしびれた」と、今野はこのチャンスをわずかにはずして、タップインでパーパットを沈め、尾崎のプレーを待つ。
 尾崎が入れればプレーオフという場面。
尾崎の打ったパーパットは一瞬、ラインに乗ったかに見えた。

「僕のバーディパットは、比較的やさしいラインだったんですが、手がしびれてしまいました。フォローで手が動かず、ヒットできずに終わってしまった感じでした。直道さんのパーパットは、一瞬ラインに乗ったので入った思い、ドキっとした。プレーオフホールの 18番のティーショットは苦手だったから、その瞬間、絶対にプレーオフは嫌だな、という思いがよぎっていました」(今野)。

誰もが息をつめて見守った尾崎のパーパットは、わずかにカップをそれた。ボギー。
 通算9アンダーで今野の初Vが決まった。ようやく、今野の緊張が解けた。

 「今日は今野くんの出来がよかった。パットでもすんなり手が動いていたし、楽に入れていたような気がしたよ。こんな選手もいたんだね。これからもっとがんばって、大成 していってほしいよね」と、敗れた尾崎は終わってから、勝者の今野にエールを送ったものだった。

「直道さんが、最後のパットをはずすわけない、と思っていた」とは今野。「ホールアウトの直後は、優勝なんて実感わかなかったです。こういう勝ち方もあるんだな、というのが正直な感想でした。最終日は、ずっと、2位か3位のどちらかだろうと思っていましたから。強いプレッシャーを感じたのは、最後のバーディパットのときだけだった」。
 ノンプレッシャー、無欲で勝ち取った勝利。今野の地元・和合での、嬉しい初タイトルだった。

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