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住友VISA太平洋マスターズ 1999

ヨーロッパツアーで奮戦中の友利勝良、世界の強豪を押さえて堂々の首位

9月の全日空オープン以来の日本ツアー復帰となった友利勝良が、6バーディ、ノーボギーの猛攻で、通算9アンダーとして単独トップに立った。

 友利は、ほぼ2カ月周期で欧州ツアーと日本を行き来しているが、今回の渡欧では、サラゼンワールドオープンで、欧州ツアーでは自己最高の2位に入る健闘があった。「パットの調子が悪かったのですが、青木(功)さんに『パターの調子が悪いときは、ハンドファーストにするといい』というアドバイスをしてもらい、どうせ入らないのなら試してみようと、やってみたら入ったんです」。

 欧州ツアー終盤での活躍を「青木さんのお陰」という友利。

 今季はボルボ・スカンジナビアオープンでも5位に入る好成績もあり、賞金ランキング66位になっている。

 来季も欧州ツアーのシード権は獲得してはいるが、「まだ来年も欧州ツアーでやるかどうか決めていません」と、今年と同じように開幕ギリギリまで、日本でプレーするのか、それともヨーロッパか、悩むことになりそうだ。 

 それというのも友利はロングホールで、ドライバー→スプーンで攻めてもでまだ20ヤードぐらい残るのに、欧州ツアーの彼らはセカンドをミドルアイアン以下で、余裕で狙って行ける。

 「このドライバーの飛距離の差は大きいんです」と友利。

 「戦っていくうちに、これ以上やってもボクは向こうでは絶対に勝てないと悟ったんです」。

 もっとも、今大会2日目は“豪打”を披露。

 「同組のジェット(尾崎建夫)さんに『おまえ飛んでるな』といわれたし、3人(ダレン・クラークと尾崎建夫)ともセカンドショットは同じところから打っていました。本当に飛んでるのかなと錯覚したぐらいです」(友利)。

 この日は、セカンドで5番アイアンより長いアイアンは使わなかった、というのだから「錯覚」ではなく本当に飛んでいたのだろう。

 朝から降り続いた雨で、飛距離が出ない悪条件になったが、友利はそれを上手に見方にしたようだ。「雨なので高いボールを打とうとしましたが、3番ホールでOBギリギリまで行ったので、高く打とうとするのは止めて、自分の弾道で打つようにしました。このコースでは良い思い出が全然ないので、昨日、今日の好スコアは自分でもびっくり。雨のせいもあるでしょうけど、グリーンの速さはスティンプメーター(12フィート)ほど感じません。パターは毎日違うから明日以降はわかりません」

 トップに立って、コースに対する苦手意識を払拭した友利が3日目以降、欧米の強豪に伍してどんなゴルフを見せてくれるのか…。

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