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三菱自動車トーナメント 1999

プレーオフ5ホールの末に

 プレーオフは、18番ホールの繰り返しによるサドンデス方式だった。
 18番ホールのピン位置は、ディープ(手前エッジから)23、右から7メートル。グリーン右奥だ。
 ピン左7メートルにつけた細川に対し、米山はピッチングサンドでピン右奥1.5メートルにつけチャンス到来。しかしこれをはずしてしまう。 
 「また次のホールへ行くよ、くらいの気持ちで何ホールでもやるつもりだった」(米山)
 2ホール、3ホールと進んでも、両者、パーの取り合いで決着はつかない。
 3ホール目終了時点で、カップ位置が切りなおされることになった。
 変更後のピン位置は、ディープ7、左から5メートル。

「プレーオフの最中に、ピン位置を変えたのはツアーが始まって初めてのことでしょう。ずっと、同じホールでの繰りかえしということで、せめてピン位置を変えて、選手らのチャレンジ精神に変化をつけたかったのと、観客の方々にも変化をつけて見ていただきたかったという気持ちから、変更したのです」(日下敏治ディレクター)

その変化が訪れたのは5ホール目。
米山のセカンドショットは、グリーン右横のラフだった。ピンまで約11メートル。細川は、ピッチングウェッジで左手前はじに切りかえられた137ヤード先のピンをデッドに狙った。
だが、「やわらかく打つつもりだった」(細川)セカンドショットは低くめに出てしまい左ラフに落ちた。
パターで50センチにつけた米山は先に入れて、細川の2メートルのパーパットを待つ。
 細川はこれをはずして、この日、初のボギー。
 23ホール中、ひとつもボギーを出さなかった米山に軍配があがり、激闘に終止符が打たれた。

 細川和彦のはなし
「最後、5ホール目のセカンドがいけない。ピンしか狙っていなかった。米さんがグリーンをはずした時点で、ピンを狙っちゃいけなかったんだ、と、グリーンまで歩いて行くときに気付いたんだ。グリーンの真ん中においといて、とにかくまたパーで切りぬけておけばよかったんだよね。バカだな〜。あれはほんとにバカだった。
 最初の右奥のピン位置も、切れかえられた左手前のピン位置も、どちらもバーデイの獲れる位置ではなかったからね。
 とにかく疲れたよ。
 でも、楽しかった。ジャンボさんより下からスタートした人間がジャンボさんに追いついて、勝った…自信のつく勝負だよね。
 でもまた2位か〜…。勝たないとやっぱりだめだね。
 まだしばらく、2位で我慢しろってことなのでしょう。
 来週以降、またチャンスがくればいいね」

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