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ファイナルQT千葉夷隅ゴルフクラブ 2025
片岡大育がプレーオフを制して7打差逆転!悲願の1位通過を果たす
千葉県の千葉夷隅ゴルフクラブを舞台に行われた2025年度ファイナルQTの最終ラウンド。
寒さに加えて強風が吹く難しいコンディションの中、最終組でスタートした片岡大育(かたおか・だいすけ)が3バーディ、ノーボギーの69でラウンド。
通算14アンダーとして、勝負の行方を中野麟太朗とのプレーオフへ持ち込んだ。
そしてプレーオフ3ホール目で片岡がバーディを奪ったのに対し、中野は決めきれずに決着。今年最後の激闘に終止符を打った。
「今日は本当に神がかっているようなプレーがこの3日間できました。トータル4日間なんですけど、2日目からノーボギーでこれ以上なんじゃないかなという感覚です」
片岡自身、調子は確かに良かった。ただ、最終日を迎えた段階でトップとは7打差があり、逆転を狙うには現実的なストローク差ではなかった。
そのため、最低でも5位以内に入ること。それだけを考えて強風の中、集中して丁寧に自分のゴルフをやり続けた。
2019年に6年間守り続けたシードを失い、そこから顔面神経麻痺を発症するなど苦しい時間を過ごしてきた。
ときに自分のゴルフを見失いそうになったこともあったが、自分を信じて再び浮上するためにもがき続けた。
そんな片岡のゴルフに光明が差したのが昨年だ。ギリギリでシードは獲得できなかったものの、良かった頃のショットのフィーリングが戻ってきた。
期待を持ちつつのぞんだ今シーズンは、ベストマッチなドライバーが見つかったこともあり、
昨年よりもゴルフの感触は確実に良かった。それでも去年よりも成績が出ていないことに戸惑いを覚えていた。
そんな片岡にさらなる光明が差したのがカシオワールドオープンの最終日。
初優勝した時に使用していたパターを使ってみたところ、それがビタッとハマった。
「QTも控えていたのであまり替えたくはなかったんですが、なんだかモヤモヤしていたので思い切って替えてみました。先週のサードQTもそうだったんですが、パターがすごく大事なところで入れることができたので、ちゃんと狙ったところに打てているんだという自信を今は持つことができています」
あまりに入らない状態が続くと不安要素が大きくなり、ラインが読めていないのか、きっちりストロークできていないのか、など、考えなくてもいいことまで考え始めてしまう。そんな不安要素を一蹴してくれたのが今のパターだ。
これで片岡は6シーズンぶりにフル参戦できる権利を得ることになった。
どん底に落ちても、諦めず自分を信じてゴルフと向き合い続けてきた。それができたのも多くの応援、支援があったからだと片岡。
勝ったことへの喜びはもちろん大きいが、支えてくれた人達へやっと恩返しの報告ができると心から安堵している様子が印象的だった。
次なる目標は、レギュラーツアーで再び勝利すること。
若手の台頭が著しい中で勝つために必要なことは何か?それは自信を持ち続けることだと片岡自身が今回証明してみせた。














