Round48:00 霜の為、スタート時刻を20分遅延(8:30→8:50)
Tournament article
リシャール・ミル チャリティトーナメント 2025
「逆にありがとう、と言われちゃったから…」第1回が無事閉幕、それぞれの思い
輪島の出展朝市は日曜日もお買い物客が途切れなかった。
観戦ツアーやレッスン会など連日、地元ジュニアの笑い声がコースに響いた。
能登半島地震や豪雨災害の復興支援とジュニア育成を目的に発足した本大会。
「能登の方々のための試合を、能登でやりたい」。
リシャールミルジャパン株式会社の川﨑・代表取締役社長の熱い思いがひとつ、結実した。
大逆転の末に池村寛世(いけむら・ともよ)が受け取った優勝杯は、金沢出身の陶芸家・奈良祐希さんの作である。
関係者はみな金沢ゆかりのウェアブランド「Kー3B」さんから提供を受けた黒×白のスタッフウェアを着用。
心をひとつに盛り上げに尽力した。
「コースさんをはじめ、地元企業の協力なくして大会の成功はありえなかった」と、川﨑社長。
能登カントリークラブの山下社長は、震災地の能登町のご出身だ。
昨元日の大地震でご自身のご実家も被災しながら大会の成功に尽力された。
開催の決定から1年足らずという“超・時短”に加えてこの夏の猛暑に、山下社長をはじめキーパーさんたちコースのご苦労は相当なものだったはずだが、「どうにか無事、開催にこぎつけることができて本当によかったです」。
山下社長の喜びもひとしおだ。
リシャールミル契約選手の宮里優作(みやざと・ゆうさく)は、小学時代に山下社長と、地元沖縄で一緒にラウンドレッスンを重ねた時期がある。
それが今では歴代賞金王(2017年)のホストプロとして、若い選手を引っ張る立場。
「優作くんは非常に責任感が強い。若い選手たちも見習って、これからますます変わっていくんじゃないのかな」と、今後の男子ゴルフに期待を寄せ、「30年ぶりに、いままたこういう形で優作くんと再会でき、成長を見せてもらえたことが嬉しかった」と、山下社長。
「ご縁を作っていただけたことに、感謝をしたい」。
チャリティを主眼とした大会の発足に際し、選手会では賞金総額の5%にあたる500万円を、石川県に寄贈することを決定していた(※賞金加算も5%を差し引いた金額とする)。
「みんな、えらいよ」と、川﨑社長。
「こんな暑い中でプレーをしてくれるだけでも感謝なのに。選手が一番いろいろと考えてくれている。ありがとう」と、逆に頭を下げられ、選手会長の谷原秀人(たにはら・ひでと)は選手を代表して恐縮しきりだ。
「大会を作ってもらって、チャリティをさせてもらって、社長のおかげでこういうことができているのに。ギャラリーの方々もそう。会場に来てくれて、応援してもらって、逆に能登に来てくれてありがとう、って言われちゃったから…。本当はこちらがありがとうございます、なのに」。
能登の人々の優しさに触れてジンと来た。
大会では、女子プロのみなさんにも力を貸してもらった。
開幕前に行われた男女のチャリティペアマッチでは16人が参加。
人気のJLPGA選手を引き連れてきてくれたのは、リシャールミル契約の青木瀬令奈プロと、成田美寿々プロのお2人だ。
「被災地支援ということで、たくさんの女子プロが賛同してくれて、なかなか機会のない男子プロとのプレーを楽しんでくれたしその中で、石川プロと金澤プロという、地元にぴったりの名前の2人が優勝してくれて。まず火、水は大成功!」と、青木プロ。
お2人にはその後、本戦期間中のジュニア観戦ツアーやレッスン会や、BS10の生中継でもお手伝いをいただいた。
期間中は、記録的な猛暑。
うだる暑さの炎天下でも、2人から優しい笑顔が消えるときは、一瞬たりともなかった。

むしろ「普段、ロープの外からトーナメントを見ることはなかなかないので。地元の子たちやギャラリーのみなさんが、本当に楽しんでいる様子を見ることができたのは良かったし、私たちも楽しかった」と、感謝を口にした青木プロ。
地元ジュニアを対象とした観戦ツアーでは、子どもたちに解説しながら、男子のプレーを盗み見。
「後半戦に向けて何か学んで帰ろうと。自分がいま悩んでいるポイントなどを重点的に見させてもらって、非常に刺激的であっという間の一週間。とても勉強になりました」と、ニッコリ。
「夜ご飯も本当にすごく美味しくて。一週間では足りないくらい。最高の時間を過ごさせていただいて、ありがとうございました」(青木プロ)。
「選手みんなが頑張ってくれて、いい試合をしてくれたので、嬉しかった」と、ホストプロの宮里も感謝に堪えない。
「みんながいるからこうして大会を開催していただけるし、選手はみんな特別な存在。ゴルフ界の至宝です。これからまだまだ若い選手が育ってくれると思いますけど、ゴルフには人を動かす力がある。チャリティの意義を理解しながら、ますます成長していってほしいな、と思っています」。
第1回大会の成功を機に、改めて選手たちに呼びかけていた。















