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ACNチャンピオンシップゴルフトーナメント 2025
杉浦悠太が渡米前に価値ある1勝「今までとはちょっと違う」
待ち焦がれた1勝は、ふいに訪れた。
最終日が降雨によるコースコンディション不良のため中止に。3日目に、2位と3打差つける通算13アンダーで単独トップにいた杉浦悠太(すぎうら・ゆうた)に優勝が転がりこんだ。
前夜から降り続いた雨で、早朝からスタートが遅れていた。
「でも、きょうなくなるとは思っていなかったたので」と、当初のスタート予定時刻の9時20分に合わせてコースに到着し、変更時刻に応じて準備をと、思っていたところに飛び込んだ中止の一報。
朝5時30分に、名古屋の自宅を出たご両親の姿もまだ見えないうちに、クラブハウスの前で仲間たちから祝福の水シャワーを浴びた。
「…きょうはプレーもその瞬間も見られなかったのは残念でした」と、ちょうどひと段落した直後に到着したお父さん。
「でも本当によかった」。
本人も、「4日間やって、というのが一番気持ちがいいと思うんですけどでも優勝には変わらないと思うので。本当に嬉しいです」と濡れた体を拭きながら「寒かったですけど、優勝しないとやってもらえないので」と、笑みをこぼした。
一昨年の「ダンロップフェニックス」で史上7人目のアマVを達成してその場で転向し、昨年の「日本プロ」でプロ初Vを飾った。
「今年もまず1勝したい」と、臨んだ今季序盤は「春先から本当に悪くて」。
ショットの不振に苦しみ、夏場にようやく状態が上ってきたなと思ったら、今度はパットが決まらない。
「ライン読みがいけないのか、ストロークがいけないのか、何からしたらいいのか」。
試行錯誤からの脱却の決め手は、わずか2グラムの重み。
一昨年の「ダンロップフェニックス」で史上7人目のアマVを達成してその場で転向し、昨年の「日本プロ」でプロ初Vを飾った。
「今年もまず1勝したい」と、臨んだ今季序盤は「春先から本当に悪くて」。
ショットの不振に苦しみ、夏場にようやく状態が上ってきたなと思ったら、今度はパットが決まらない。
「ライン読みがいけないのか、ストロークがいけないのか、何からしたらいいのか」。
試行錯誤からの脱却の決め手は、わずか2グラムの重み。
いま愛用しているネオマレットタイプのパターヘッドの前方に鉛を貼り、後方の重りを外して使っていたが、今週の練習日にふとひらめき、もとに戻した。
「正確ではないかもしれないですけどたぶん重さにして2グラムほど。そうしたら、いやな動きが直っていいストロークができるようになった」と、途端に解消。
「パットが良かったからこそ無理して攻めずに安全なゴルフができた」と、待ち焦がれた今季1勝につなげた。
「かなり終盤になりましたけど、優勝できたので嬉しいです」。
旅立つ前に間に合った。
昨季は、肘の故障もありやむなく見送っていたPGAツアーへの挑戦。次々週の「ダンロップフェニックス」終了時に賞金5位までに入れば2次から行けるが、先週までの杉浦のランキングは34位。
「今年もまた行けずに終わってしまうのは寂しい」と思い切り、先月行われた1次に挑戦。5位で突破し、来月2日ー5日にアリゾナ会場で2次予選を控える。
「コースチェックをしたり、芝になじむためにも早めに行って練習できれば」。
出場可能な日本ツアーも残りわずかとなるため、なんとしても勝ちたかった。
「今年はここまでうまくいかず、苦労はあったんですけどその苦労があってこその優勝、と思うので。今までとはちょっと違うかな?」。
成長を示す優勝で、来年の「ベイカレントクラシック」の出場権も確保した。ここから世界への扉を開くという意味でも価値ある1勝となった。
















