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日本オープンゴルフ選手権 2025
片岡尚之「シルバーコレクター」返上でマスターズへ。パー3コンテストは家族もお楽しみ
片岡尚之(かたおか・なおゆき)が、4年ぶりの通算2勝目を、5年シードの日本タイトルで飾り、自身初のメジャー切符を2枚も手にした。
「この日本オープン優勝というのは、全プロゴルフーが憧れるタイトル。その中で名前を刻めたことが非常に光栄だなと思います」。
最終日を7打差の6位で出て、5バーディ、2ボギーの2アンダー「68」で、ついに4日間ともただ一人のアンダーパーを記録。
本戦の18番で、奥7メートルをセーブし、3度、4度とガッツポーズを作ると原敏之(はら・さとし)と臨んだプレーオフ1ホール目のほぼOKパーでは降り注ぐ雨も構わず天を仰いで感泣した。
ルーキーシーズンの21年に、出場4試合目の「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」で初優勝を飾ってからこの5年で2位が7回。
「初優勝のあとすぐ勝てたらよかったんですけど、凄く緊張するタイプなので。緊張でミスをする。負け癖がついていた。自他共に認めるシルバーコレクターです」。
返上を期して、3年前から師事する谷将貴コーチを介して門をたたいたのは片山晋呉(かたやま・しんご)だ。
「レジェンドなので。恐れ多くて今まで自分からは行けなかった」。
「…なんでもっと早く来なかったの?!」。
即、先週末に教えを受け、日光に来てからもやりとりを重ねて「楽しんでやっておいで」。
本大会05年と08年のチャンピオンで、08年の福岡・古賀で永久シードの25勝(現在通算31勝)に到達したレジェンドの助言が今週の難コースでどれほど力になったか。
「今まで本当につらい試合が多くて、今年は優勝争いすら全然できなくて、苦しかったんですけど、晋呉さんのおかげで優勝できた」。
5年シードのタイトル戦で、やっとつかんだ2勝目には、全英オープンとマスターズの初切符もついてきた。
特にマスターズは、「今年のマキロイの優勝や、松山さんの優勝も本当に感動しましたし、タイガーの16番のチップインはゴルファーならだれでも知っているシーン」。
心沸き立つ一方で、「たぶん出場選手の中で僕が1番下手だし技術もないし、力もない。死ぬほど努力して、4月までに準備して、なんとか戦えるように」と神妙に言ったが、9度の出場経験を持ち、09年にはオーガスタで4位の成績を残した片山の喜ぶ顔が目に浮かぶ。

大会の翌10月20日は、くしくも妻のさくらさんとの1年目の結婚記念日。地元・日光市出身のさくらさんのお祖父さんも交えて、「ちょっといいところに泊って観光しよう」と、計画していた。
「いい記念日になりました」と、さくらさん。
もちろんマスターズにも、長男の波瑠(はる)くんを連れていく。

以前は、試合で思うような結果が得られないと落ち込み、ふさぎ込みがちだったという夫は、波瑠(はる)くんが生まれると、「抱っこしたりあやしたりと落ち込む暇がなくなりました」と、さくらさん。
マスターズの開幕前日に行われる恒例のパー3コンテストが目下、家族の一大イベントになった。
「そのころは波瑠(はる)も1歳。歩けるようになっているかも」。
高校時代はゴルフ部で活躍したというさくらさんも、来年4月の渡米を楽しみにしている。















