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「ヤバ」「スゴ」女王も仰天。片岡尚之の戴冠パット
14日の男女シニアの対抗戦「Hitachi 3Tours Championship(日立3ツアーズチャンピオンシップ)」で、今季の全日程が終了した。
今年最後の大舞台でも、自身4シーズンぶりの“戴冠パット”がさく裂した。
片岡尚之(かたおか・なおゆき)は、吉田泰基(よしだ・たいき)と交互に打つオルタネート戦でロングパットを決めまくり。
6、7番では10メートル超を沈めた。
同組で対戦した年間女王の佐久間朱莉さんと、高橋彩華さんも「ヤバ」「スゴ」「長いの全部入る!」と、絶句していた。
20-21年にも年間1位を獲得したパットの妙は、今季終盤戦に近づくほど真価を発揮した。
シーズン最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」は、堀川未来夢(ほりかわ・みくむ)に次ぐ平均パット2位で入った。
「未来夢さんに0.6ほど離されていましたのでもう無理だな、と」。本人の諦めモードに反して、初日から1.7⇒1.6429⇒1.7778と好値を連発した。
最終ラウンドではついに1.5を記録し、堀川を大逆転した。 ⛳平均パット | ツアー部門別データ 2025
「ずっと気にはしていたのですが、シーズン中はなかなか1位を獲れなくて。最後の最後にやっと1位になれました」と、有終の美を噛み締めた。
「やっぱり、そこが一番自分に近いタイトルと思っていましたので。また1位になれて良かった」と、4シーズンぶり2度目のタイトル奪還を喜んだ。

こだわりのグリーン上で、片岡が大切にしているのは「直感」。
3年ほど前に、グリーンの傾斜を計る特殊な技法「エイムポイント」を習う機会があり、1年間ほど実戦で取り入れてみたそうだ。
でも、「僕はやり方が下手だったので。上手く合わせられずにいつも一筋外れてしまう」と、自分のものにはしきれなかった。
そこで、昨シーズンから再び、「自分の目で見て感じたラインと構えたときの直感を重視する」と、元来のルーティンに戻すと「上手くラインが読めるようになり、感覚もよくなってきた」という。
そして、ついにマスターズと全英オープンの出場権がかかった10月の「日本オープン」で、“完全復活”を果たした。
7打差の6位タイから出て、本戦最後の18番で、奥7メートルのパーパットを沈めて原敏之(はら・さとし)とのプレーオフに持ち込んだ。
4年ぶりの通算2勝目に涙が出たが、自分のためだけではなかった。
4打差の首位で出て、「77」で大敗しながら片岡のプレーオフを待って祝福してくれた清水大成(しみず・たいせい)。
「泣きながらおめでとう、と言ってくれて…。そういう人間性が好き」と、清水を思ってボロボロ泣いた。
翌月の「カシオワールドオープン」では大親友の大岩龍一(おおいわ・りゅういち)が初優勝した際にもまた目を真っ赤にした。
「龍一は僕の祝勝会で、今度は自分が勝つって言ってたんです。有言実行…。かっこいいな」と、すすり泣き。
5月の日本プロでは、生源寺とのプレーオフ4ホールを制して、プロ5季目の初優勝を飾った清水を片岡が祝福した。
平均パット1位で表彰された今月8日の「年間表彰式」でも激動の1年を総括し、「今年は初優勝選手が多かった中で、仲良しの選手が勝ったことも嬉しかったです」と、改めてほっこりしていた。














