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Hitachi 3Tours Championship 2025
男子のJGTOが負けた以上に悔しかったこと
20回目の記念大会は、女子のJLPGAさんによる史上初の3連覇で幕を閉じた。
男子のJGTOは、2年連続2位でまた通算9勝目を逃した。LPGAさんに最多勝ち星でもついに抜かれた。 ⛳最終成績
チーム年少キャプテンの消沈は大きかった。
2人で交互に打つオルタネート方式の最終ホールでペアの米澤蓮(よねざわ・れん)が、左の林のほうから、見事なフックボールで手前8メートルのバーディパットを作ってくれた。
蟬川泰果(せみかわ・たいが)がこれを決めれば3年ぶりの9勝目にまだワンチャンあるという最終局面。
「わかっていました。わかりながらやっちゃいました」。
フックと読んだが「厚すぎた」。
ボールは大きく膨らみ、カップをそれた。
「過去イチ緊張しました」。
24歳は、チームで今年一番若かったが、チーム最上位の賞金ランク3位でキャプテンに就任した。
母校・東北福祉大4年時以来の重責を背負った。
「一番年下なので。恐縮だったんですけど、先輩方にも優しくしていただいて。プレー外ではよかったんですけど、プレーでもっとキャプテンらしいゴルフをお見せできればよかったなと思うと悔いが残ります」と、反省しきりだ。
大学後輩の蟬川と組んだ米澤も、「きょうは1日雨が降る中、僕らは飛距離の面でも苦戦を強いられました。仕方ない。その中で最低限はできた。初出場した去年よりはいいプレーもできた」と、潔く敗戦の弁を述べていた。
小西たかのりと、佐藤大平(さとう・たいへい)コンビは1オーバーでチーム最下位で惨敗した。
33歳と32歳はチーム最年長だが、大会は初出場。
「ずっとパットを打ち続けたあとに急にショットを打つ、というのが難しかった」と、ゲーム方式に馴染めないまま終わってしまった小西。
相手を思いやるあまりのミスもした。
「ペアに尻拭いをしてもらおう、くらいの気持ちでやらないと難しい。次に出られたときはそれくらいのメンタルで」と、反省した。
ペアの佐藤は、3団体からペア2人=計6人の大所帯プレーに「普段、あれだけ大勢に回ることがないので」と、戸惑いも。
最年長のフレッシュコンビ。
「ほんと、2人でもがいている感じで終わっちゃった。申し訳ない」と、後輩たちに詫びていた。
チームは勝てなかったが、片岡尚之(かたおか・なおゆき)と吉田泰基(よしだ・たいき)の同学年ペアは、チーム最多の6点をゲット。
なんといっても、今季平均パット1位の片岡が凄かった。6、7番で10メートル超を沈めて他を圧倒した。
「入れなくちゃいけない状況で決められた。めちゃくちゃ嬉しくて、めちゃくちゃ気持ちよくて、気持ちよさでいったら今年の日本オープン以上」と言った。
7打差大逆転で通算2勝目を飾り、マスターズの出場権を獲得した今年10月の「日本オープン」を上回るとまで言うのだからその爽快感が伺い知れる。
「僕は“ノー活躍”。ナオが凄かった」と称えた吉田も、最後2メートルのパーセーブを決め、ボギーなしのラウンドに貢献。
「ナオと一緒にラインを読んで、チームワークもよくて最高のコンビネーション。楽しかった」と、プレー内容に悔いはない。
ただ、ひとつ心残りはスタート前恒例のオープニングセレモニーで、事前に2人であれだけ入念に打ち合わせをしたキメポーズを、慣れない初舞台で披露しそこねたこと。
「あれは…本当にショック」と、今も2人のトラウマに。
吉田は、今月21日に挙式を控えた妻・樹里さんにもあとで「なんで?」と責められ「ショックでした。悲しかった」と消沈した。
「次こそは決めます」と、吉田。
片岡も「今度こそあれをしたいから来年もまた出ます」と宣言し、最終グリーンの端っこで、来年に向けてのリハーサルにも余念がなかった。
⛳最終結果
1位 JLPGA 16ポイント
2位 JGTO 12ポイント
3位 PGA 8ポイント









