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ACNチャンピオンシップゴルフトーナメント 2025

今月1日にホストプロ。片岡尚之が契約即Vチャンス

青×白のACNカラーで決めたウェアが秋晴れに映えた。今月1日に、所属契約を発表したばかりのホストプロが土曜日のリーダーボードに飛び込んできた。
片岡尚之(かたおか・なおゆき)7バーディ、1ボギーの「65」をマーク。
通算10アンダーまで伸ばして3差の2位に浮上した。

開幕前日は「ショットもアプローチもパターもぜんぶ不調」と訴えていた。
「なんとか4日間はプレーを」。
予選通過を最低限にプレーしていたのにあれよとV争いだ。

この日は特に得意のパットが冴えた。
前半3アンダーで伸ばすと、後半12番では13メートルを決め、連続バーディの15番は8メートルも入った。

18番も、右3メートルのチャンスだったが逃した。




ちょっぴり落胆して上がってきた片岡を、明るく迎えてくれたのが、藤岡義久・ACNホールディングス代表取締役会長兼社長だ。
「ナオ、ナイス!」
「でも、最後外したんです……」。

決められば約束の“1日7アンダー”達成だった。


藤岡社長が「明日7アンダー出した選手にはボーナス出す」と、急に宣言したのは大会初日の夜に片岡ら、契約選手が勢ぞろいした宴席でのこと。
みな色めき立ったが2日目の該当者は出ず、いったん流れていた。
「しょうがないなあ…」と、社長。
「じゃあ明日、7アンダーで勝てたらボーナス出すよ」。
3日目の片岡の健闘で、最終日にも復活。




社長の重大発表は、いつも突然舞い降りる。

そもそも片岡の所属契約が決定したのも、先月の「バンテリン東海クラシック」で、藤岡社長と回ったプロアマ戦後と急だった。
その翌週に、マスターズの出場権がかかった「日本オープン」では7打差の大逆転で、4年ぶりの通算2勝目を達成するなど、怒涛の展開が続いている。

ただ、契約発表を期間中の土曜日に控えた次の「フォーティネット プレーヤーズ カップ」で予選敗退したのは計算外だった。
「なんか優勝したし、賞金王も見えてるし、もう1勝したい」と、臨んだのが空回りした。

「僕は基本、欲張らない。大きいことは言わないし、大きいことは見ない。気合を入れすぎちゃったかな」と、反省。
「今週は気持ちは抑えて。淡々と予選通過をして決勝で伸ばして」。
普段のペースに戻したらゴルフも見違えた。

契約記念のホストVも狙える位置まで持って来られた。

企業カラーを完璧なまでに再現したこの日の青×白のウェアは契約締結後に急いで準備したもの。勝負ウェアも大事な1戦に間に合った。

「Vボーナスはもともと設定されていたので、明日7アンダーも出せたらダブルでもらえる」。
おのずと色気は出るが、「明日も淡々と。日本オープンで優勝したという自信と経験はあるのでそこを強みに」。
気のないふりをしながら虎視眈々と、ホスト試合でこそ恩人を喜ばせる。

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