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三井住友VISA太平洋マスターズ 2025

堀川未来夢が「親子リレー」でV争い

堀川未来夢(ほりかわ・みくむ)が親子2代に支えられ、2週連続V争いだ。




ここ御殿場は、三島寮で過ごした日本大学時代に部の練習場としてラウンドを重ねてきたコース。
特に2019年からは、4位、9位、8位、6位、9位と昨年も4位とトップ10を続けて、今年もまた定番のように、1差の2位で週末に進んだ。

この2日間を通してみても、ティショットを曲げてボギーを叩いたこの日の16番が「唯一のミス」と言い切るほどショットは好調。
ただ、「完璧すぎる」と、称する御殿場の高速グリーンに潜む微妙な傾斜にてこずり「2日間ともパターは入っていない」と、いい、2019年に突如かかったイップスの解消も、「一番良かった時に比べればまだ6割」と、道半ばだ。

持病の頸椎ヘルニアの状態も「まだ、テイクバックで廻旋運動したときにズキっと痛む。パットが一番しんどくて、ゆっくりした動きの時の痛みでリズムがずれたりして」。
とは言いながら、後半12番で8メートルを沈めると、13番では6メートルも決め、最後18番ではまた8メートルをねじ込みバーディで上ってきた。

「さすがマネジメントゴルファー。鬼ですよ」と感嘆を上げたのは清水重憲さん、男女プロ合わせて40勝を誇るこちらもまた鬼キャディである。

2017年の日本ゴルフツアー選手権で初めて堀川と組み、2年後の同大会で、堀川の初優勝をアシストした。
「もともとは、いちかばちかの“運ゴルフ”。でも今は正反対で、確率の高いほうを選んでマネジメントをしてますね」と、今やその徹底ぶりに感心する。

本大会は、一昨年の「ゴルフ日本シリーズJTカップ」以来となるタッグで、「また一段と、成長していてびっくりします」と、舌を巻く。

最初に組んだときは、清水さんが堀川を叱って育てる感じだった。
でも、「今では僕が教えられますし、叱られます」と、清水さん。

久々タッグに圧倒されっぱなしだ。

実は、先週もV争いしていた「ACNチャンピオンシップゴルフ」では、清水さんの息子さんで、今年9月のプロテストに合格したばかりの大雅さんが堀川のキャディをつとめており、3位発進した初日に大雅さんが清水さんに電話をしてきて言ったそうだ。
「スゴイ、やばい」と。

大雅さんいわく、「ドライバーがまっすぐいくわけでもなく、アイアンショットもビタビタつくわけじゃないのにスコアをまとめて優勝争いする。スゴイ、やばい」と絶句していたそうだが、今週の父キャディも同感だ。

「今週もやばいですよ」と、清水さん。
「若い時にがーっと上手くいっても、いろいろ経験し、ゴルフの怖さを知るようになると、沈んでいく人もいるじゃないですか。でも彼は沈んでも、それを克服してまた上ってきて、今では真のトッププロになりつつある」と、親子ともどもかたわらで、ただただ脱帽。

「先週もよくて、今週もまた優勝争いをさせてもらえる。親子リレーですね」と、嬉しそうだった。


親子2代で支えてます(左が清水キャディ)

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