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三井住友VISA太平洋マスターズ 2025
デビューの中野麟太朗がプロの洗礼、学びの初日「なぜ遼さんがあれだけ好かれるか…」実感した石川のすごさ
22歳の誕生日を迎えた今週11日にプロ転向した早稲田大学4年の中野麟太朗(なかの・りんたろう)は、スタートの10番でダブルボギー。

さっそく、プロの洗礼を受けた。
同時に、貴重な学びの場となった。
「あんなにたくさんの方々が左右両側にいて。どこまで続くんだろうと思ったくらい」。大ギャラリーの前で打ったプロ初戦の第1打は、「一番緊張した。力が入った」と、左のラフのほうに曲がった。
さらに2打目は今度、「飛びすぎってどころじゃないくらいに飛んだ」と、ギャラリーのはるか頭上を越え、グリーン奥の赤杭に囲まれたレッドペナルティエリアに没入。
「頭が真っ白になるくらい…。まずいな、と」。
出だしの大トラブルに大わらわだ。
「めちゃくちゃ急いでました」と、プレーの進行を気にしたこともあり、自身の判断で1罰打を加えた谷底からの第4打を打とうとしていたところで、頭上から同組の石川遼(いしかわ・りょう)の声がした。
「カート道を挟んで“2段階処置”になるかもしれない。競技委員を呼んだほうがいい」などと言われて我に帰った。
正しいルーリングの手順を踏んだのちに、4オン2パットに留めて、「カート道で、1回処置するというのはきょう初めてしました。挟まないで処置をしようとしていたので。誤所地からになっていたかもしれない」。
指摘をしてくれた石川に感謝すると共に、「なぜ遼さんがあれほどファンの方々に好かれるか。きょう一緒に回らせていただいて、改めて分かりました」などと、その人柄を絶賛。
「やっぱり、石川遼さんは凄いんだな…」。
ほろ苦のスタート後に約7メートルを沈めた12番でのプロ初バーディで、やっと少し落ち着けたが後半1番でもダブルボギーを叩くなど、プロ最初のラウンドは、結果2オーバー70位での滑り出し。
今朝、スタート前にはお腹がいたくなるなど「なにが起こってもおかしくないのがデビュー戦かな、と。そこは割り切ったというか」。
御殿場の高速グリーンも、「本当に速い。今までプレーしてきた中で間違いなく一番」と、懸命に格闘してきたプロ最初の1日。
現在、卒業論文を執筆中、という早大の4年生は、この日のゴルフについても「ようやく単位を取れたくらい」と、学業みたいになぞらえ、「きょうはデビュー戦を言い訳に、いいスコアでなかったね、というのはあったんですが、明日からはそんなことはない」と、反省。
「しっかりと自分のゴルフをやりにいく、というのをモットーに、明日はパットを決めて、僕のゴルフをたくさんの方々に、見ていただければ」と前を見た。
プロ初日は、本人の思う通りの結果ではなかったが、要所で魅せた豪打や鋭い切れ味には、石川も感嘆していた。
「スピード、パワーも、ポテンシャルも、河本力選手だったり、出利葉(太一郎)選手クラスのフィジカルがある選手だな、と。その中でもアイアンショットの精度が本当に高くて。6番アイアンで打っても、9番で打っても、ほとんどピンから外れない。素晴らしかった」と、スケールの大きな中野のゴルフを絶賛していた。











