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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2025

恩返しは何度でも。9年ぶりの復活! 塚田よおすけが、最愛の家族に贈る今季最終戦

今年もっとも活躍した30人だけが集う頂上決戦は、選手だけの晴れ舞台ではない。
選手を支える家族や関係者にとっても特別なものだ。

中でも、今年9年ぶり2度目のエントリーは、出場選手の最長ブランク出場である。
塚田よおすけは、2週前のホスト大会「ダンロップフェニックス」で、2016年の「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」に次ぐ、9年ぶりの通算2勝目を挙げて会場入りを果たした。

この週末には、地元長野県から、妻の香奈子さんと2人の息子の大夢くん、留夢くんをはじめ、ご家族が集結した。
塚田には、とりわけお父さんの憲司さんの来場が、感慨深い。

オヤジも来てくれた!

    憲司さんは、3か月前にガンの手術を受けたばかりだそうだ。

    術前後は塚田も気を揉んだが、「俺のいい結果を見るために生きてくれてよかったな、というのもそうだし、病気を乗り越えてよかったな、というのもそうだし、こういう恩返しは何回やってもいいですよね」。
    自身も二児の父親となった今、ご両親と分かち合う喜びの尊さを、改めて実感できたことは感慨深い。

    お母さんの恵子さんは、実は2週前の試合結果を見ていない。「見るとハラハラしてストレスがたまるので…」。テレビからも無理に顔をそらしていたところへ、契約先ダンロップのレップさんから一報を受け、安堵と喜びの息を吐いたという。

    今週のシーズン最終戦も9年ぶり。
    一時は、毎週のように息子の応援に駆け付けたが、足を悪くされてからはすっかり遠のいていた。
    「でも、ダンロップの試合で優勝してくれて、またこうしてこんな大きな舞台に連れてきてもらった。本当に嬉しいです」と、この日はご夫婦で息子のプレーを観戦。
    ご両親にもかけがえのない時間をプレゼントできた。

    この日、塚田にはもうひとつ嬉しいことがあった。今夏、不振を極めた時に、劇的脱却のヒントをくれた後輩プロの佐藤大平(さとう・たいへい)と、同組でまわれた。


    今年は、まず「フォーティネット プレーヤーズ カップ」で初優勝を飾った佐藤を塚田が祝い、その3週後に、「ダンロップフェニックス」で復活優勝した塚田を佐藤がお祝い返しした。

    佐藤の息子さんが昨年末にインフルエンザ脳症で生死をさまよった際には誰より心配し、無事の生還を誰より喜んでくれたのも、また塚田だった。
    お互いを気遣いあう、大切なプロ仲間と喜びを分かち合えたということでも感慨深い1年となった。

    「きょうは回りながら1年の最後に一緒にここに出られてよかったね、という話もしました。楽しかったです」(塚田)。
    2025年の頂上決戦はそれぞれの思いを乗せて、ついに今年最後の1日を迎える。

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