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〜全英への道〜ミズノオープン 2025

“べーやん”と4 試合ぶりの決勝へ。阿久津未来也は「全英より初優勝」

阿久津未来也(あくつ・みきや)は頼りになるキャディさんと、4試合ぶりの決勝へ。
初日の「67」から3つ伸ばして通算8アンダーの4位タイと好位置で、プロ10年目の初優勝に挑む。




「ショットはそれなりでしたけど、パットで流れを崩すことがあって。それでショットも影響を受けて悪くなってくる」というのが、日本開催のアジアンツアーも含めて先週まで3試合続けて予選敗退していた原因だ。
でも今週は、パットコーチにも承諾をもらい、「思い切って気分転換させてもらった」と、プロ人生2度目のL字のマレットパターで奏功。

「この2日間に関しては、少しだけかみ合ってくれた。ここ3週間は、週末に進めていなかったので。1回ストップできたのはよかった。」と、安堵する。

今大会は、昨年まで4回出て、4回目の昨年に、初の予選を通過。
しかも初日に「64」で首位に立ち、3位タイで決勝へ(最終結果は13位)。

「いいイメージがある中で今年を迎えて、調子悪い中でもこらえてこの順位で行けたというのはよかった」と、昨年の再現ができたみたいなのも嬉しい。
隣には、コースを熟知する女子プロゴルファーさん。
田辺ひかりさんは、県境の広島県福山市の出身で、ここJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部でのラウンド経験豊富。
2020年に行われた「日本女子プロゴルフ選手権」では2位の成績を残すなど知り尽す。

オフのジュニアイベントで意気投合し、本大会でのキャディをオファーした。
快く受けてくれ「私、コースメモは見ないです」というので、それほど地の利があるかと感心したがご本人は「違います。未来也さんが(カートを)押してくれたらいいって言ってくれたので。キャディの感じで来ていない。ギャラリー気分で見ています」と、ケロリと言う。

「その意味でも(芝)目は見ない」と、グリーン上のアドバイスも非常に淡泊。
「もっと強気で言ってくれてもいいのに」と阿久津にはちょっぴり物足りないが、「言わなくても未来也さん、読めてますよね?」とは田辺さんなりのリスペクト。

「勉強したいと思ってきましたけど、普段見ているコースと距離も違うし、え、そんなに右から打つんですか」など。
もともと「見ていて面白いし好きだった」という男子ツアーを、女子プロ目線で堪能。
ご自身の初キャディを楽しんでくれている。

友人間の愛称は「ひかり」。
だから、阿久津から田辺の「べ」をもじって「べーやん」と呼びかけられても「…私のことですか?」と、反応はにぶいが、それはそれで息は合って来た。

上位3人に「全英オープン」の出場権が付与される。
「全英もそうですし、4大メジャーは出てみたいですけどそれよりは、ツアーで初優勝したいというのが大きい」と、阿久津。
「それに久しぶりの決勝ラウンドなので。単純に楽しみ」。
キャディの"べーやん"を道連れに、プロ10年目の初Vに挑む。


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