Tournament article
ロピアフジサンケイクラシック 2025
Vキャディの山本さん「ロピアさんでお買い物します」タイガとの初Vと、タイガースの優勝にも歓喜
22歳の長野泰雅(ながの・たいが)が初日から首位を走り続けて初優勝を飾った。
完全優勝の快挙を支えた山本凌平キャディには、「ロピア・ベストサポート賞」として、54ホールの競技短縮により75%となったV賞金の10%にあたる165万円が贈られた。
Vキャディとして表彰式にも参列し、松山英樹の元エースキャディをつとめた進藤大典さんから目録を贈呈された。

男子ゴルフの発展を願ってくださると共に、キャディさんの地位向上を目指す新たな取り組み。
「めちゃめちゃありがたいです。発表された時からみんなやる気になっていました。これからはロピアさんでお買い物します」とキャディ仲間を代表し、特別協賛社のご厚意に感謝の気持ちを述べていた。
まさに賞に値する貢献ぶりだった。
最後1メートルのウィニングパットに震える長野に「大丈夫、今までやってきたことを信じて打って」と、勇気を促したのも山本キャディだ。
来月に30歳で、長野の8つ先輩。
でも長野は、「話しやすくて友達みたいな感覚で、プレーしやすい。ため口とかきいて、たまに八つ当たりもしちゃうんですけど、優勝したので大目に見て欲しいです」と、V会見で山本キャディに詫びていた。
初めての出会いは、長野がプロになったばかりの2021年。
「まだ18歳かそこらでイケイケ。なんでそこでピンを狙うのか、と。もったいないよ」と別の選手で同組になった時にプレー後にちらりと言ったら、「じゃあ、僕もお願いします」と、コンビがスタートした。

山本キャディとマネジメントに徹してきたおかげで10代のころより格段に賢くなったが、要所でやんちゃはやっぱり出る。
再び首位で迎えた15番のティショットは左の林に飛んだ。2打目は運よく開けていたが、リスクはあり、安全に刻む手もあったが、長野は迷わずピンまで届く6アイアンを選択した。
低いフックボールで行くという。
「おまえが行けると思うなら、行けばいい」と、山本キャディ。
「おまえはそういうショットが得意だから。出して結局ボギーにしたら、余計に後悔する。やはり行っときゃよかったなとならないように」。
背中を押すと、嬉々として木と木の間から脱出してパーセーブ。
いよいよ、単独首位で迎えた17番では、カラーからの第3打で、長野はまた躊躇なくウェッジを持った。
「普通はパターを選択してもいいところ。でも、アプローチが上手いから、これが『長野泰雅スタイルだ』と」(山本キャディ)。
1打リードで入った18番で1Wと、3Wで少し逡巡したのは「勝ちに行くか、魅せに行くか」で、迷っていたからという。
「バーディで上りたい」という長野を山本キャディは止めなかった。
結局1Wを選択し、突き抜けてラフまで行ったが次の2打目でこそ、2人で構築してきたマネジメント力を発揮。
左の池を避け、確実にパーで上れるルートをたどって決着したのも、山本キャディが後ろでしっかりと手綱を握っていてこそだった。
奈良県出身。
大阪の大学を卒業したあと上京し、証券会社に就職したが「やっぱり自分の好きな道で生きたい」と、脱サラキャディとして活動を始めて5年目になる。
タイガー・ウッズ由来の「泰雅(たいが)」の名を持つ長野と共に、山本キャディにとっても嬉しい初勝利を飾った日。
プロ野球の阪神タイガースが2年ぶり7度目のリーグ優勝を史上最速で決めた。
「阪神すごい好きなんで…。きょう優勝できたら一生忘れない。寝れないです」。
ロピアさんからいただいた賞金で阪神タイガースのV限定グッズを買いたいそうだ。















