記事
ロピアフジサンケイクラシック 2025
タイガ×タイガの大会初日。蟬川に続いて長野も首位に。先週の大親友のV争いが励みに
2人の“タイガ”が首位に並んだ。
午前組で上った蟬川泰果(せみかわ・たいが)に続いて、午後組の長野泰雅(ながの・たいが)も、5アンダーの「65」をマーク。

徐々に雨脚が強まる中で、最後9番は左手前のアプローチをチップイン。
7バーディ(2ボギー)で蟬川に追いついた。
最近、得意のアイアンショットに悩みがあったが、富士山麓に広がるここ富士桜は、標高の高さから、通常コースよりも球が飛ぶといわれている。
「今週はどうせ距離も一から測り直すし、変えやすいや」と突如、開幕前日にアイアンチェンジ。
「スイングを変えるよりは、クラブに頼ろう」と思い立ったのが奏功し、「いい感覚で打てていた」と、悪天候の難コースでチャンスを量産。
16番のパー3では、わざと右手前にティショットを外して着実に寄せワンパー。
「乗せにいってもいいんですけど、右手前からなら池もかからないし、アプローチも簡単。ボギーを打たないマネジメントを徹底した」と、計算ずくで好発進した。

長野がスタートした時には、名前の読みが同じの蟬川がすでにトップに立っていたが、長野がきょう1日中、意識していたのは、先週の「Sansan KBCオーガスタ」で大活躍し、9位で本大会の出場権を手にした石塚祥利(いしづか・しょうり)。
地元福岡の沖学園高校の1年先輩で、小学時代から大の仲良しだそうだ。
「一緒に頑張りたい、という気持ちもあるし、負けたくない、という気持ちもある」。
先週、長野は予選敗退だったが、コースに戻って石塚の最終日最終組を応援した。
「僕、あんまり人に興味ないんですけど、初めて人を応援しました。心の底から」と、18ホールついて歩いて、共に一喜一憂した。
「(パットを)外したら一緒に悔しがったし、素直に応援できました」と初Vをかけた親友の熱戦を最後まで見届け、「俺のおかげ」と確信した。
6月に、地元福岡で行われたACNツアー、地元福岡の「ジャパンクリエイトチャレンジ in 福岡雷山」では、無償で石塚のキャディを買って出た。
予選敗退したが、その後の居残り練習にも付き合った。
「そっからすごく良くなったので。嬉しかった」と、先週の親友の活躍に続いて、自身も発奮。
今季は、4度のトップ10はあるが「優勝できる位置からスタートしていない」。
8月の新規開催「リシャール・ミル チャリティトーナメント」で18番ホールのみのスコア最上位で獲得した史上最高の特別賞金1600万円は、今季の獲得賞金よりまだ多い(現在1539万6052円でランク27位)。
「あれももう半分使っちゃったので…。また稼がないと」と、がぜんやる気に。
「3日目終わった時に優勝を狙える位置にいて、最終日頑張りたいなと思います」。
大親友が取り損ねた初Vを、1週置かずに自分が奪う。














