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バンテリン東海クラシック 2023

星野陸也「入ったと思った」ホストVを最後1差で逃す

星野陸也(ほしの・りくや)は、悲願のホストVを逃した。
1差の3位から出て、4バーディボギーなし。


最終日最終組の3人でしのぎ合い、奪い合う好接戦を演じたが、最後は37歳の気迫に負けた。

「いやぁ、惜しかった」と悔やむのは、土壇場の1差を追って入った18番だ。

フェアウェイから打った2打目は木下を震え上がらせるのに十分の好ショット。
ピン奥2メートルに落として、バーディチャンス。
入ればプレーオフ、あわよくば優勝もある。


「入ったと思いました」と、カップインを確信した瞬間、ボールはカップの右ふちにけられた。
「いやあ…意地悪なところに切ってましたねえ」と、苦笑いをこぼした。

「思ったところに打てて、8割くらいライン通りで入ったと思った。ほんとに数ミリだと思うんですけど、カップ際だけ切れないラインでまっすぐ抜けて。いいショットが打ててただけに、悔しいですね」と、長身をくの字に畳んだ。



今季は欧州・DPツアーで腰を据えたが、今大会のためだけに戻り、4月以来の国内4戦目をプレー。
先週のフランスから直接コースに来てもよかったが、一度茨城県笠間市の自宅に帰ったのは、バンテリンカラーのウェアを取りにいくため。


「緑のウェアって、なかなかなかったんですけど」。
どうにか探して2セットを詰め、ゲストをもてなすプロアマ戦で着込んだ1着は、テレビ写りの土日に備えてクリーニング。

最終日もバンテリンカラーの緑の優勝ジャケットに似合うポロシャツを着こんだが1打、届かなかった。


「この試合までにヨーロッパのシード権を決めて、この大会で優勝すると決めてましたが、16、17、18番の木下さんのショットはすごかった」と、改めて称えた。


星野が左の崖をよけて、右のバンカーに打った16番パー3は特に、「金谷さんも、あのピン位置で2人してピンを狙っていくんですから。凄いなあ、と。勘弁してくれよ、と」と、降参したが、自身も15番パー5でイーグルチャンスにつけるなど、最後まで沸かせ続けた。

「ヨーロッパでの経験が優勝争いにつながりました。また日本に帰って試合をするのが楽しみ」と、競り合いの中でつかんだ充実感と手ごたえを、またヨーロッパに持って帰れる。


プレー後は、一目散にスポンサールームに駆け込み感謝と再出発のご挨拶。

次週末に再びスペインに向けて発つ。
主戦場から朗報を届けるという楽しみもある。

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