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ダンロップフェニックストーナメント 2022

大槻智春が無欲の63「ほんとに予選通過ができたら、と」44位→1位の大ジャンプ

いつも答えを求めてさまようサムライは、2日目の急上昇にも戸惑うばかりだ。 「ANAオープン」でも考える人でした

プロ13年目の大槻智春(おおつき・ともはる)がボギーなしの「63」。

初日の44位から、首位タイへの大ジャンプも「普通に予選通過ができたらいいな、と思っていたくらいで。予感もまったくなかった。ほんとに、予選通過ができたら、と…」。

まったく無欲の猛追だった。


9月の「ANAオープン」で、石川遼とのプレーオフを2打目をカップインするイーグルで制して3年ぶりの2勝目をつかみ取ったがその後「パターで試行錯誤」。

10月の試合はどれも20ー40位台をうろうろしていたのに、突如としてスコアに恵まれると逆に戸惑う。

「明日からのことを考えるとあんまり、前向きなことは言えないですね…」と、長髪をサムライみたいに結った頭を申し訳なさそうにかしげた。


この2日間でただひとつ、思い当たることがあるとすれば、10月の「バンテリン東海クラシック」の3日目以来となる今季2度目の同組になった日大同期の存在だ。

「僕は普段、プレー中にあまり話しとかはしないんですが、サトシはいつも向こうから話しかけてきてくれて、それでリラックスして回れた」と、この日は2人仲良く黒の基調ウェアで揃えた小平智(こだいら・さとし)とのラウンドトークも弾んだ。


最終日もまた一緒に


2018年に米1勝を挙げて、今なお異国で孤軍奮闘を続ける小平の存在が、大槻にも大きな励みだ。

「週末にまた一緒に回れたらいいね」とV争いを約束して、通算6アンダーの6位タイにつけた小平といったん離れた。
「週末は僕がトモハルに追いつけるように頑張る」(小平)と、土曜日はまず自分が、尊敬する親友の指標になる。


今大会は、コロナ禍の2020年に首位で出ながら最終日に「71」と伸ばせず、金谷拓実(かなや・たくみ)と石坂友宏(いしざか・ともひろ)による、学生プロ(当時)同士のプレーオフ対決に混じれなかった。

「もちろん、当時の悔しさはあります」と、32歳のサムライは静かに燃える。

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