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アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ ダイヤモンドカップゴルフ 2022

今は賞金王より海外メジャー。今平周吾を駆り立てるもの

今平周吾は4日間とも唯一のアンダーパーで、歴代賞金王の貫禄を出した。

 

通算6勝目を狙った舞台は大洗。

「今週は曲げたらダメ。練習ラウンドから曲げないような打ち方を練習して、それを4日間続けることができた」。

 1打差の5位タイから出た最終日は「ボギーを打たなければチャンスはある」とより慎重に、ついに逆転に成功した終盤ホールは王者の本能が出た。

 

ショットの安定性を出すために、グリップの先端部分を多く余らせ、もともとクラブを短く握って打つが「曲げたくない時は、どんどん短く握っちゃう。自然と。多分、自分でも気づかないうちに」と、優勝への渇望が出た。

 

なんとしても、今大会V特典の“全英切符”が欲しかった。

「2、3年前までは、常にメジャーに出られていたのに。なんで今はなかなか出られないのか」。

 

2016年の全英オープンで初出場を果たしてから毎年遠征し、2年連続賞金王の2019年には初のメジャーフル参戦も果たした。

 しかし、この2年はコロナ禍も重なり遠征も厳しくなり、世界ランキングもみるみる下降。

「海外に行く事も難しくなってきた中で、今年は目先の目標として、賞金王や優勝よりまず、海外の試合にまた出たい。前よりもそういう気持ちが強くなった」と話す。

 

メジャー8戦目の2020年「全米オープン」では初の予選を突破(61位)し、同年の「マスターズ」でも4日間を戦い44位タイの成績を残した。

「最高峰の舞台。またそういう場所に行き、予選を通って次は上位でも戦えるように」。

 来週23日に、千葉県のカレドニアン・ゴルフクラブで1日2ラウンドの「全米オープン」予選にももちろんエントリーした。

 

「全英と、ダブルで出たい」。

 

口べたで、先輩プロをハラハラさせた若き賞金王も、今年は節目の30歳。

「若い子たちがだいぶ増えたが負けたくない」と口にする年齢となった。

首位を走る23歳の桂川をひたひたと追いながら、「差を詰めに行こうとしてミスするのが大洗での一番悪いパターン。守りつつ、がっつき過ぎずにプレーした」と大人のゴルフでしっかりと壁になり、世界再挑戦への足がかりを作った。


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