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LANDIC CHALLENGE 8 2021

雨中の激戦を制した安本大祐が嬉しい初優勝を飾る!

福岡県糸島市にある芥屋ゴルフ倶楽部を舞台に『LANDIC CHALLENGE 8』の大会最終日が行われた。予報通り午前中から降り始めた雨は時間を追うごとに強さを増し、それに翻弄されるかのように上位陣のスコアも乱れていった。そんな中で粘り強いゴルフを展開したのが安本大祐だ。

首位と2打差の7アンダーの4位タイからスタートした安本は4番でこの日初めてのバーディを奪うと、そこから3連続バーディを奪取。いい流れで優勝争いに加わり始めた矢先の10番ホールでティショットをOBとしてダブルボギーを叩いてしまう。最終日の優勝争いの最中のOBだけに普通なら心が折れてしまいそうだが、今日の安本はちょっと違っていた。
「これまで勝てそうな展開なのに自分にプレッシャーをかけて崩れてしまったり、最終日最終組も経験したりしたこともあるんですが、なかなか優勝に手が届きませんでした。ここまでやってきて勝てないんだったら、もう勝てないかもと弱気になる部分は正直あったんです。それでもその壁を破りたいと言う気持ちの方が諦める気持ちよりも上回っていたので続けてこられたと思います。だから今日も1打も無駄にしたくない思いでプレーしたのがこの結果につながりました。本当に夢中でやりました」。
10番のOBに関して、前に進むしかないとある意味で気持ちを切り替えることができたと振り返る。安本的に11番ホールが難しかったことも逆に良かったと冷静に分析する。
「11番ホールはどうすればパーが獲れるんだろうと思うくらい難しくて。でもあのホールが簡単だったら、ダブルボギーを取り返そうとして、無理な攻めをして崩れていってしまっていたかもしれません。あそこでしっかりパーを獲ることに集中できたのが大きかったです」。
安本は1987年生まれの北海道出身。大学は東北福祉大で腕を磨いた。プロ仲間の間でも安本が細身なのは有名な話で、本人も太ったことは一度もないと言う。現在はおそらく50キロを切っていると驚きの事実をさらっと話してくれた。今のゴルフ界は飛ばし全盛で、体を鍛えて大きくする流れの真っ只中にある。安本はツアーの中では飛距離が出ない方ではないが、飛ぶ選手はどんどん出てきている。それでも安本にウエイトをアップさせようと言う気持ちは起こらない。人と同じことをしたとしても、それなりのことしかできないと言うのが安本の持論。それなら人ができないことを極めることのほうが、特に勝負の世界では勝ち残れるのではと考える。ときに弱気になることもあるのは悪い癖だと言うが、自分自身を客観的に見られるのも安本の強みだ。今回の勝ちは、安本が持つ強みをさらに上質なものへと変換してくれるきっかけになるに違いない。

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