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バンテリン東海クラシック 2021

「死に物狂いで恐怖は常に」安本大祐、プロ14年目の実情

細い体でめっぽう飛ばす©JGTOimages
台風余波の強風に、飛ばされそうな痩身でこらえた。
プロ14年目の安本大祐(やすもと・だいすけ)が5バーディの「66」。
首位と2打差の4位につけたが「後半は本当にしっちゃかめっちゃか。スコアには満足ですけどゴルフはヤバすぎて、ハラハラの連続でした」。

インスタートのこの日は折り返しの1番まで5個伸ばしたが、バンカーを渡り歩いた2番から、途端に窮地が続いて、3番以外の7ホールですべて1パットパー。

ラフやバンカーから拾いに拾い、最後9番では目玉のバンカーから4メートルに脱出したのもしのいでついにボギーはゼロ。

「先週もそうでしたけど、今週も狭くて。コースのプレッシャーに負けている。とにかく、絶対ダメじゃないほうのラフに入れまくる。これは寄らないな、というのを寄せワンしたり、そんなのばっかり。でも、それが僕のゴルフ」と、ひょろひょろの胸を張る。

ベルトでぎゅうぅぅ…っと絞ったウェストは68センチ。

「既製の服ではサイズがなくて、ユニクロのネット販売なら70があって、それがわりとちょうどいい」。

JGTOのプロフィールに書いた体重55キロは「ちょっと盛った」と、連戦中の今は50キロを切ることも。
「シュークリームとお団子」を好む34歳だが「そんなのでは1ミリも太れない」。
といって昨年、緊急事態の宣言下で「引きこもり、頑張って食べたけど、気持ち悪くなりました。56キロにはなったけど、体調もよくなかった」。
太れない体質に、つくづく嫌気がさしたという。

吹けば飛ぶような痩身だがめっぽう飛ばす。
グリーン上ではひょろりと長いパターを器用に操る。

2008年のプロ転向からやっと自身初の本格参戦は、「コロナで外国選手が来れなくなって、チャンスを増やしたQT組」。
今季の出場19戦も「こんなに出られたシーズンは初めて」という。

「今まで家族にサポートしてもらったり、1年間スポンサーに契約を続けてもらったり、地元の北海道で小さい試合出たりとか」。

結婚して一男を授かった4年ほど前から、どうにか稼げるようになってきた。
「競技で活躍したい気持ちが強くて、毎年QTを死に物狂いでやって、苦しいときでもやめたいな、と思ったことは一度もないけど、いつ試合に出られなくなるか、という恐怖は常にあります」。

先週の「パナソニックオープン」で、自己ベストの11位を記録して、目下賞金ランクは76位。
上位65人の初シードまで、もうひと踏ん張り。
「とにかく必死に、1打1打を大切に」。
絶好の好機到来で、恐怖を断ち切る。

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