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フジサンケイクラシック 2021

アタタタ、と急上昇。ケンシロウが2打差で追う

でも、格闘技が苦手です©JGTOimages
石川を、2差で追うのはケンシロウこと、池上憲士郎。
お察しのとおり、名前の由来は80年代の人気アニメ「北斗の拳」。
母親の由佳理さんが、主人公の名前に画数の良い字を充て命名された。

この日の序盤はアタタタ…と、目にもとまらぬ格闘シーンにも似たスリリングな4連続バーディで、一気に上昇。

3番でOKバーディを奪うと4番では、傾斜の左ラフから30ヤードのチップイン。
5番の長いパー4では、220ydの2打目が1.5メートルのチャンスについた。6番パー5で2メートルのバーディも決まって、やにわにV争いを始めた。

出場資格を得たのは、9月2日の開幕当日だった。
欠場者が出た場合に繰り上がりで出場できる現地ウェイティングの1番目で待機。
初日にキャンセルを申し出た副田裕斗(そえだ・ゆうと)の替わりに、出番を掴んだ。

コースに停めていた車中で連絡を受けたのは、9時頃。スタートまで1時間が迫っていたが、「正直、出られないと思っていて。準備もしていなくて。逆にそれが良かったのかも。気楽に行けた」。

きゅうきょでキャディさんの準備もなく、富士のふもとの富士桜で、大雨のセルフカートは、それは勿論「しんどい」が、主戦場のAbemaTVツアーで手慣れたものだ。

5バーディ1ボギーの「31」でまとめた前半から一転、降雨による中断も挟んだ後半は苦しい展開だったが、上り3ホールで立て続けにシビアなパーパットをしのぐなど、1ボギーの「37」。
1日トータル「68」でまとめて、通算6アンダーの単独2位に踏みとどまった。

地元の岡山県から出て進学した香川西高校では、一学年上に練習の虫で知られる木下稜介がおり、宮城県仙台の東北福祉大には木下と同い年の松山英樹がいた。

「周りにストイックな方だらけ」と、刺激の多い環境下で14年にプロ転向を決意。
6年目に、自身初のVチャンスを迎えた。
「優勝争いするも初めて。緊張はすると思いますけど、明日は楽しくできればいいかな」。

現地ウェイティングの制度がスタートしてから、適用者の優勝例はまだ聞かない。
最終日もケンシロウの神拳がさく裂するか。

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