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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2021

妻とのラストゲーム。スコット・ビンセントが来年パパに

ホールアウト後のインタビューもしっかりと手を握り合い…

 

2人でコースを歩くのは、おそらくこれが最後の大会になる。

賞金ランク11位で、2年ぶり2度目の出場を果たしたビンセント夫妻。

 

今季、夫のキャディをつとめてきた妻のケルシーさんの妊娠が分かったのは7月。

 

東京五輪の真っ最中だった。

 

体調の異変に気づいたが、「試合が終わるまで彼にはナイショにしたの」と、ケルシーさんは言う。

「ゲームに集中して欲しくて」と、期間中はじっと我慢。

 

力を合わせて通算11アンダー、16位の成績をおさめて最終日にやっと告白。

一緒に病院に行き、歓喜に包まれたという。

 

そのあとすぐ「Sansan KBCオーガスタ」で初優勝を飾った。

さらに、ひと月とおかずに「ANAオープン」で2勝目を勝ち取り、幸せの絶頂期を迎えた。

 

来年45日が予定日と分かってすぐに電動カートを購入。

身重の連戦に備えた。

 

ケルシーさん自身もプロサッカー選手の経験を持つ体力自慢だ。

「彼も凄く気遣ってくれるし平気よ!」と気丈に、2021のロングシーズンを乗り切った。

 

いよいよ今季の最終戦で「私がバッグを担ぐのは、この大会で最後」と,決めた。

初日は3オーバーの25位タイと出遅れたが予選落ちがない本大会。

「残り3日もあります。ここからまた調子を上げていく」と、夫婦で声を揃えた。

 

妻の引退試合にこそ、「とっておきの記念になるように。2人で最高の結果にしたい」と、巻き返しに意気込む。

 

当初、今大会終了後にビンセントの母国ジンバブエに帰国し、出産するつもりだった。

しかし、ケルシーさんの母国アメリカにきゅうきょ変更。

 

変異種オミクロン株の世界的な感染拡大が始まり、ジンバブエも出入国制限の対象に入ったためだ。

 

「彼のご家族に最初にベビーを見せられないのはとても悲しいしこれからは日本に来るのもどうなるか」と、ちょっぴり顔を曇らせたケルシーさん。

「来年はベビーを連れて帰ってこれますように…」。

祈る思いでラストゲームを歩く。

 

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