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日本プロゴルフ選手権大会 2019

石川遼が、感動のプロ日本一

開聞岳(かいもんだけ)のふもとに、選手会長の雄たけびが響いた。石川遼が、初のプロ日本一。韓国の黄重坤(ハンジュンゴン)とのプレーオフを劇的イーグルで締めて、3年ぶりのツアー通算15勝目に歓喜した。

17年秋まで5シーズンを戦った。米から持ち帰った不振に苦しみ続けた2年半。今季は開幕早々に腰痛を患い、初の途中棄権もあった。
27歳。
「年月が経って、変わっているのに、自分の体に対して傲慢さがあった」。
鍛え方を見直し、1Wの課題にいちから取り組んだ。
復活を期して、血のにじむ努力が続いた。

今年度のプロ日本一決定戦は、九州南部の豪雨で初日が中止となり、開幕が1日遅れた。5日金曜日に第1ラウンド、土曜日に第2ラウンドが行われ、7日日曜日はいよいよ1日36ホールの決戦に。

やはり、最終日に36ホールを戦い史上最年少Vを飾ったのは、07年。
当時は、まだ15歳だった。
激動の人生を経て、今やうっすらと口ひげを蓄えた選手会長が、節目の15勝目に二度、三度と言葉にならない咆哮をあげた。
目を真っ赤にして泣いていた。
「ここに立てているのが信じられない。夢なのかな、と…。自分なんかより、ずっと僕を信じて待っていてくださったギャラリーのみなさん。どんなときも応援してくださった。皆さんのおかげで勝てました」。
開催すら危ぶまれた今週は2期目の選手会長として、葛藤もあった。
あれほどの災害がありながら、こんなにも大勢の方々が集まってくださった。地元鹿児島のみなさんにも、感謝の気持ちを禁じ得ない。

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