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HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP 2019

ジンバブエのビンセントが夫婦で狙うツアー初V

ジンバブエ出身の27歳が、初めての沖縄で単独首位浮上だ。「故郷には海がない。風もない」。
それでもスコット・ビンセントは強風下で、ボギーなしの65を出した。
「美しい海を見ながらするゴルフは最高の気分。昨日から、ショットがうまくコントロールできている」。

折り返して1番のパー5はグリーンの外から、10ヤードのチップインイーグルも決まった。
上りの9番では、バンカーからグリーンの奥に外したアプローチを2メートル弱残したが、最後もパーでしのいだ。
「今日の仕事もパーフェクトだった」とお熱いキスで労ったのは、結婚して2年のケルシー夫人。
「最高の妻で、最高のキャディ」と、のろけた。

プロ仕様のバッグは特に、女性には相当な重荷のはずだが「私は20年近く、サッカーをしていたの。脚力には自信があるわ」とケルシーさん。
急こう配の坂をスタスタ登る姿は逞しく、美しくもある

キャディバッグにはマジックで書きこんだ十字架とハートマーク。「神様、愛してるという意味よ」と、敬虔なクリスチャンの夫婦は毎朝、スタートホールで黙想。
必ず2人で祈りを捧げてからコースに出る。

夫婦で旅する初めての沖縄。エメラルドグリーンの海は、ロマンチックでおのずと2人の気分もあがる。
「このまま2人で、優勝を分け合いたいね」。
夫婦初Vへの思いも高まる。

<スコット・ビンセント>
ジンバブエの首都ハラレ出身。父親の影響でゴルフを始め、米国のバージニア工科大学を出ている。勉学と共に、ゴルフ部でも活躍して10年と12年には「世界アマ」に国代表で出場。14年にはビル・ハースやリッキー・ファウラーらが歴代覇者に名を連ねる米国の大会「The Players Amateur」で優勝を飾り、その資格で翌年の「RBCヘリテージ」で米ツアー初挑戦。4日間を戦うなど、アマ時代から恵まれた環境で経験を積んだ。
15年のプロ転向後はアフリカやカナダ、アジアを転々と、優勝には届いていないが2位が5度。
日本ツアーは、昨年12月のファイナルQTランク11位の資格で今季、本格参戦。
6月のAbemaTVツアー「LANDIC CHALLENGE 7」で初優勝を飾り、同賞金ランクは14位に。来季レギュラーツアー前半期の出場資格はすでに手にしており、夫婦でさらなる昇格をねらっている。

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