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ダンロップ・スリクソン福島オープン 2018

秋吉と星野。アメリカ帰りの2人が挑む、ホストV

全米帰りの秋吉と星野(左から)。時差ボケも何の!! 頑張るぞ
大会主催を代表する、若きホストプロ2人は地獄を見て帰ってきた。全米オープンの最終地区予選を突破して、初出場を果たした秋吉翔太と星野陸也。

前日19日の午後3時に揃って成田に降りた。その足で、福島入りした秋吉はまだ、意気消沈。
シネコックヒルズはただでさえの難コースだった。
「全然、太刀打ちできなかった。ショットも、飛距離も、ショートゲームも全部が全然まだ足りない。自分のレベルの低さを感じた」。

日本では、秋吉も飛ばし屋の部類に入る。
だが「初日、一緒に回ったライアン・フォックスは、ヨーロッパで1、2位を争う飛ばし屋。自分も平均300ヤードは飛んでいたと思うが、常に3、40ヤードは置いていかれた。初日の18番では70ヤードも差がついた」と、言ってため息・・・。

星野も強風の初日、さっそくメジャーの洗礼を浴びた。
序盤こそ耐えていられたと思ったが、悪夢を見たのは14番だ。
「打ち下ろしのホールで真横の風に流され、右にどプッシュ。ブッシュの、またブッシュのほうまで飛んだ」と、自身でも、ちょっと記憶のない1ホールでプラス4。

「ブッシュから、本当ならフェアウェイに出すところをいったんまたブッシュに出して、そこからと思ったら、草に絡まり“お父さん、当たる〜!!”」。
応援に、駆けつけてくれた父にあわやの4打目は、また「どプッシュした」と「頭は真っ白。どうしようもなかった・・・。地獄でした」と、振り返った。

初日から、79を並べてトホホの予選落ちでも、22歳は「楽しかった」と逞しく、「ダスティン・ジョンソンとか確かに飛ぶけど。さほど気になるほど飛距離の差は感じなかったし、リッキー・ファウラーは意外と実物、小柄だった」と場にのまれることもなく、冷静に観察してきた。

空いてしまった週末も、ニューヨークまで足を伸ばすという手もあったがあえてコースに居残り、練習場に居座った。
「同じフィールドにいれば選手を見れるし、たくさん勉強になった」と、テレビや動画では、絶対に感じることのできないメジャーの雰囲気を、存分に味わうことも出来た。
「向こうの選手がウェッジを3本入れたりするのも、ああこういうことか、と。体験して、実際に目の前で見てみないと分からないこと。本当に良い経験になりました」。

アメリカで見てみてきたこと、体験したことを、さっそく大事なこのホスト試合にぶつける。
「この大会は、アマチュアのときから出させてもらって、お世話になっている。優勝目指して頑張りたい」。
若いけど、時差ボケには勝てずに前夜は幸か不幸か(?!)サッカー観戦。快挙の一部始終を見尽くしやっと寝たのに「朝は5時に目が覚めた」と、目をこすりながら気力を絞る。

秋吉にとっても今週は「ぜひモノにしたい。大事な試合。去年は“事件”もあって、因縁もある」という。
6位に終わった昨年大会。
3日目に、プリファードライの処置ミスを同伴競技者に指摘され、2罰打を受けた。

苦い記憶。
払拭するためにも「今年もしっかり上位で優勝争いが出来るように頑張る」。
昨年はこの大会をきっかけに、初シード入りが実現した。
縁起の良いホスト試合でもある。
「契約選手として、大会への思い入れは強い」。
ミズノオープンに続く2勝目で、主催者を何度でも喜ばせたい。

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